元東大王の一人、河野ゆかりさんが、自身に向けられた「東大医学部で税金を使ったのだから、早く臨床医になれ」という批判に対してインスタグラムで説明した、というニュースを見た。

 

医学部を出たら、臨床医になる義務があるのか。

 

国立大学を出たら、国民のために働く責任があるのか。

 

そこまで説明しなければならないのか。

 

何か心に引っかかるものが残った。

 

医学の世界は想像以上に広い
 

臨床医だけでなく、公衆衛生、医療政策、基礎医学や研究、国際的な医療課題、製薬・医療機器、ヘルステックなど、多様な分野がある。

 

その多くは医師資格を持つ人でなければ担えない仕事でもある。

 

理系の受験生の中には「血を見るのが耐えられないから医者には向かない」と言う子もいる。

 

だが、患者を直接診ることだけが、医師資格を持つ人の役割ではない。

 

社会全体の健康を様々に支えることも医療のかたちだろう。

 

目立つ存在や成功している人に対して、「○○大を出たくせに」とか「税金を使ったのだから」と絡む声が一定数ある。

 

社会に出てそうした場面を目にしたことがある人も多いのではないか。

 

正直なところ、あまり美しい光景ではない。

 

河野さんは、医学部で学んだ知見を公衆衛生に生かしたいと語り、「ちょっと待っていてください」と前を向く。

 

本来、ここまで説明する必要などないが、自分の言葉で語り、人生のステージで次の場所へ進もうとする姿勢を見ると、批判している人とは別次元にいる気がする。