(前回からの続きです)
子どもに関する教育方針のずれが家庭内不和をもたらす可能性
母親と父親の間で中受積極派(肯定派)と消極派(否定派)に分かれていると最悪で、家族の分断・分裂の危険性があります。
家庭内での父親と母親のパワーバランスは必ずしも均衡状態とは限りませんし、子どもがどちらかの側に付くということもありますので、最終的にどちらか一方が折れることで収まることもありますが…。
一方の親が積極派(前のめり)でもう一方が中立(静観)であればまだいいほうで、「とにかく邪魔しないで」くれれば、足を引っ張られるよりはましです。
両方とも積極派の場合、指導方針がずれると「船頭多くして」になるのでこれもよくないです。
父親と母親の間で教育方針が「完全一致」することもあまりないかもしれませんので、どちらか(より声の大きい方?)に寄ってくことになるのではないかと思います。
いずれにせよ家族の間で協力・相互補完体制がつくれればベストです。
年々入試問題が難化するため、負担が増える傾向
中学入試の問題が難しくなると、それに対処するため中受塾で勉強することが増える。
そうすると受験生のレベルが上がるので、学校側はより優秀な生徒を選抜するためにもっと難しい問題を考えて出す。
すると塾はそれに対応するため…。
このプロセスが毎年繰り返されています。
「学校と塾のいたちごっこ」により入試問題が「進化」を続けています。
20~25年前に開成で出題された「難問」が今や「標準問題」になっているとも言われます。
難関中入試では、知識重視から思考力そして表現力(記述力)重視の傾向が顕著ですが、覚えなくていいわけではなく、求められる知識は「より広く、より深く」なっていると感じます。
そして、入試問題「進化」の方向性は学校によって異なるので、従来以上に「学校別対策」が重要になると思います。
そのためには、基礎的な学習をできるだけ早期に確実に固めたうえで、「学校別対策」に十分な時間を割くことが必要になってきます。
以上、2回にわたって「中学受験のコスト」について書いてきましたが、改めて非常に大きなコストがかかる受験だと思いました。
中学受験は必須の受験ではありません。
それに見合うメリットがあると思えば挑戦すべきでしょうし、できるだけコストを抑える形を追求するのも一つの方法だと思います。