前回、前々回と開成と筑駒の卒業生の大学進学先について取り上げました。

 

開成と筑駒では1学年の定員数が大きく違うので(400名と160名)、実数ではなく、以下、定員数に対する割合を比較したいと思います。

 

また1人で複数校「合格」した実績ではなく、実際に「進学」した先の数字に着目します。

 

現役進学率は開成58%(60%)、筑駒64%(68%)でした(カッコ内は2023年)。

 

筑駒の方が進学率が数ポイント高い特徴があります。

 

現役での進学先を、文系・理系、国公立・私立に分けて卒業生に占める割合をみると以下のようになります。

 

開成:

国公立(文系)15%

国公立(理系)31%

私立(文系)6%

私立(理系)6%

 

筑駒:

国公立(文系)14%

国公立(理系)38%

私立(文系)5%

私立(理系)9%

 

開成と筑駒で文系の占める割合はともに20%前後であまり変わりませんでした。

 

つまり筑駒の方が進学率が高くなっているのは、理系の割合の差によるものだとわかります。

 

文系については、両校で同じくらいの割合になっていますが、進学した学部でみるとかなり違っています。

 

例えば、東大文系でみると、開成の場合は法律、経済、文学とバランスがとれていますが、筑駒は、法律が半分以上で残りが経済、文学はほとんどないという特徴があります。

 

文系への進学は少数派だとわかりますが、とくに私大文系が少なくなっているのが特徴。

 

いずれも卒業生に占める割合は5%前後にすぎません。

 

理系はどうかというと、両校の現役進学者に占める理系の割合は、開成64%に対し、筑駒は72%と相対的に高くなっています。

 

筑駒の理系への進学率が高くなっている背景のひとつは、医学部への進学率

 

現役での医学部進学率は、開成の9%に対し筑駒は13%となっています。

 

両校の進学状況を比べてみると、「国公立」「理系」「医学部」という要素が共通していていて、筑駒の方がよりその色彩が強くなる印象です。

 

一方は国立、もう一方は私立で、成り立ちも違う上、学校のカラーもかなり違います。

 

そういえば、両校の文化祭では、合同企画「開成vs筑駒」が催されています。

 

両校の代表選手がクイズで対決する姿は見ごたえがあるので楽しみにしています。