この時期、企業の採用活動が本格化している。

 

6月からは面接が解禁となった。

 

採用選考で面接官をする機会があり、志望する学生と面談することがある。

 

選考プロセスは、履歴書やエントリーシートによる書類選考、筆記試験に加えて、複数回の面接により、行われることが多い。

 

入社試験、ということになりますが、中学や高校、大学の「受験」とは様相が異なります。

 

今の世の中、人手不足で、企業の側からすると、優秀な人材の確保が大きな課題。

 

人材の差がそのまま企業力の差になるといっても言い過ぎでない。

 

30分くらいの面接時間の中で、志望する学生と対話して、「次のプロセス」に進むかどうか、「我が社に是非とも必要な人材」かどうかを判断しなくてはならない。

 

もちろん、相手にも「選ぶ権利」はあります(それはお互い様!)。

 

会社が示す、「選考のポイント」みたいなものはあるが、面接は結構主観的なもので、判断に迷うことも多い。

 

「能力」については、学歴や筆記試験の結果を見て、ある程度推測できるが、会社が求めているのは「学力」とは少し違うもの。

 

「学力」だけで仕事ができるものではないし(学生時代に学んだことがすぐに活かせることは少ない!)、どこまでいっても社外あるいは社内の「人」が相手なので、「人間関係」が最大のポイントで、「学力」とは次元が異なるもの。

 

単なる「世渡り」のうまさ、ということでもありません(それも時に重要ですが)。

 

知識や資格といった「ハードスキル」は大切ですが、それ以上に「ソフトスキル」が重要で、面接では主としてこの部分を見極めることになります。

 

求められるソフトスキルの正体を一語で言い表すのは難しいですが、コミュニケーション力とか、課題解決力、柔軟性のようなもの。

 

様々な問いを発してそれに対する反応や回答内容をみます。

 

例えば、何かに挑戦したこと、苦労したこと、失敗したこと…。

 

実際におきたことや、やったこと、「具体的な事実」を聞きます。

 

なぜそうしたのか、しなかったのか。

 

時事問題についてどう思うか、なぜそう考えるか聞くこともあります。

 

こちらの質問のポイントを正しく理解し、的確に答える方は優秀です。

 

あと、学生の側からの「逆質問」も一つのポイント。

 

「何か聞きたいことは?」という投げかけに対する「質問力」。

 

「問いの立て方」からわかることもあります。

 

鋭い質問をされ、「1本とられた」と思う人は印象に残ります。

 

話しをしていて、「打てば響く」ような感じなのか、「通じにくい」のか。

 

回答した内容それ自体よりも、思考のプロセスやパターン、自分自身をどう認識しているか、といったことのほうが重要な気がします。

 

中学入試や大学入試といった「難しい試験」をくぐり抜けたきた学生が全員、高いコミュニケーション力や柔軟性といったソフトスキルに長けているとは限りません。

 

その差はどこからくるのか…。