中学受験では、通塾はマストと考えられている。
小3から、あるいはもっと低学年から塾通いしているというのも割とよく聞く。
ところが中には、塾に通わず、家庭での通信教育や「親塾」で難関中に受かったというケースがあり、そうしたニュースに接することがあります。
「そんなことは無謀」
「子どもが飛び切り頭が良かっただけ」
そんな受け止めも多いかもしれない。
レアケースかもしれないが、実例があるので、決して不可能ではないと思います。
これまで中受塾で数多くの子どもに接してきた先生によれば、「塾なし」が可能となるのは、次のような条件が全て揃っている場合だという。
条件1:家庭での学習習慣が十分身に付いている
条件2:親が中受経験者であるか、中学受験の情報を集めてフォローできる
条件3:親が子どもの実力を的確に把握し、実力と志望先が見合っている
条件4:親が子どもに対して感情的にならず、親子関係が円満
これって、通塾の有無に関わらず、親が子どもの受験に伴走する上で必要なことではないかと思いました。
親の「伴走力」を支える要素だと言い換えてもいいかもしれません。
注目すべきは、親が「過去問をスラスラ解ける」とか、「子どもに中学受験の勉強を教えられる」といったことは入っていないこと。
親が子どものためにいくらでも時間を割くことが出来る、というのも重要なファクターではないかと思ったが、そうでもないようです。
親は、子どもに勉強を教えるのではなく、スケジュールや進捗管理に徹することが前提になっているのかもしれません。
そうした親の関与がワークするのは、学習習慣があって、やる気があるから。
子どもの学習習慣ややる気は、待っていれば自然に生まれるものではないと思います。
親による働きかけや「きっかけ」や「しくみ」づくりがあって初めてできてくるものではないだろうか。
そして、それは「円満な親子関係」という点にも関係してくると思います。
当然、受験生本人が主役ですが、子どもだけではできないのが中学受験なのでどうしても親の関与とサポートが欠かせません。
親が子どもに「やらせる」のではなく、学習を「習慣」づけ、モチベーションを支える。
塾に行くか行かないか、ということよりも、要は「いかに家庭でしっかりできるか」が決め手になると思います。
塾で過ごす間だけが勉強ではなく、家での予習や復習がそれ以上に大事になってくるからです。
上の条件にはそのヒントがあるように思えます。
(受験を通じて親子が仲良くなったと書かれている本)