厳しい暗記主義による訓練は、試験が終わったとたん『もう勉強したくない』となり、学習意欲を持てずに入学することになる。
これは、お受験(小学校受験)対策を専門とするある塾の責任者の方が言っていたことです。
これって、中学受験にもあてはまると思います。
詰込み過ぎで「勉強嫌い」になっては元も子もありません。
燃え尽き症候群という言葉も聞きます。
せっかく難しい入試を突破して中学に入っても全く勉強しなくなり、授業についていけなくなる。
厳しい受験の過程で競争心が煽られ、人間関係も悪化…。
そうなると何年も時間をかけてやってきたことが無になるどころか、大きなマイナス。
本当に子どもがかわいそうです。
私立中学は義務教育課程のはずですが(違うのかな?)、成績が悪すぎたら留年もあるし、続けるのが難しければ退学することもあります。
精神的に異常をきたして退学した例も知っています。
受験を通じて学ぶ楽しさを知ることが大切、なんて専門家は言いますが、それは理想論。
子どもの中学受験に伴走していたとき、成績が低迷し、いくらやっても改善の芽が見えず、時間ばかりどんどん過ぎて、不安と焦りといら立ちで相当参ったことがありました。
今から考えると、ちょっとどうかしていた感じもしますが、当時はそういう風でした。
受験は競争であり、勝負ですから、どこかで「追い込み」をかける必要もあります。
大学受験だったら、自分で考えて自分を追い込んでいくということもできそうですが、中学受験では、精神的にも未熟な小学生が受験生ですから、親によほどの注意が必要です。
親が自分で自分のことが見えなくなるかもしれないので、もう一方の親も気を付けていた方がいいです。
下手をすると教育虐待になりかねません。
実際に目撃したことがあります。
その子は中学受験をやめ、その後、勉強とは縁遠い道に進みました。
この場合、親に反発し、中学受験をやめることができたのは結果的によかったと思います。