子どもが中学受験した親と話していると、親自身が中受経験者という人も結構いますが、自分が受験したときと比べると、格段に問題は難しくなり、勉強量もかなり多くなったという意見が多いです。

 

最近の中学受験は親世代が経験したときよりもはるかに競争が厳しくなっているとする専門家の見解も多く見かけます。

 

実際のところはどうなのか、事実関係が知りたくなり、いくつか調べてみましたので紹介したいと思います。

 

 

中学生の数と、そのうち私立中学に通う生徒数(割合)

時系列でみると以下のようになります(文科省の統計による)。

 

1990年 中学生の総数537万人、うち私立中学生徒数20万人、中学生に占める割合3.7%

2000年 410万人、24万人 5.9%

2010年 356万人、26万人 7.3%

2020年 321万人、24万人 7.5%

2023年 317万人、25万人 7.9%

 

中学生の総数は減少する一方、私立中学に通う生徒数はあまり変わらず、結果として、中学生に占める私立中学の生徒の割合は着実に増加していました。

 

 

首都圏受験者数、中学受験率

 

こちらは大手塾による推計値。

 

1990年 4.8万人 11.3%

2000年 4.0万人 13.0%

2010年 4.6万人 15.3%

2020年 4.9万人 16.6%

2024年 5.2万人 18.1%

 

首都圏の中学受験者数は波があり、1991年や2007年には5万人を超えました。

 

この10年くらいはずっと増加の局面でした。

 

中学受験が過熱しているという報道をよく見ますが、実際には、中学生のうち私立中学に通う生徒は1割に満たず、首都圏の受験率も2割を超えてません

 

 首都圏においては、局所的にクラスの過半数(あるいはほとんど)が受験するという学校もあるかもしれませんが、全体としてみた場合、中学受験はまだまだマイナーな存在と言っていい状況。

 

一方、30年前と比べると、私立中学に通う生徒の割合は2倍以上になり、首都圏の中学受験率も、大幅に増えました。

 

この30年ちょっとの間に、中学生の人数が4割位減ったことが大きいです。

 

少子化の影響で受験を巡る競争が緩和されそうですが、私立中学に進学する生徒の割合や、首都圏の中学受験率は確実に上がっていて、中学受験は決して楽にはなっていません

 

少子化で難関中に合格しやすくなったかと言うと、そんなことはなく、募集定員も受験者数も大きくは変わりません。

 

むしろ、中学受験者数の増加と裾野の広がり(以前であれば中学受験をしなかったであろう層の参加)によって、入試難易度は少しずつ上昇する傾向にあるといえます。

 

学力が正規分布すると仮定すれば、受験生の増加は分布の中心部分に集中することになるので、中堅校の難易度により大きな上昇圧力がかかることになります。

 

また、平均層前後の増加割合が大きくなることから、偏差値50の位置が従来よりも下がり、相対的に難関校の合格偏差値が上昇する傾向につながると思います。

 

中堅校については、受験生増加の影響を受けることに加えて、上位層の一部も向かってくることから、競争が激化しやすくなります。

 

もともと首都圏では私立中学の学校数が多く、その時々の人気を反映して、受験生の偏りが生じることもあります。

 

また、同じ学校でも複数の受験日程を設定する場合がありますので、日程により倍率や競争状況が大きく変わってくることがあります。

 

従来以上に、志望校と併願校の組み合わせと日程の選択が重要になってくると思います。

 

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(本人・親)へ
にほんブログ村