日経ビジネスの記事より。
「1/2と1/3ではどちらが大きいか」という問題を小学生に出したところ、学年別の正答率は、小3が17.6%、小4が22.4%、小5でも49.7%だったという。
ちなみに、中2でも正答率は79.6%、100%近い数字にはなっていない。
記事には分数の本質を理解することの難しさが書かれている。
子どもたちが理解できていないと思われるのは「1」の意味。
目でみることができる、1個のアメや1台の車という「数えるための1」ではなく、もっと抽象的な「単位」や「基準量」としての「1」。
分数をやったとき、「全体を1としたときの…」という表現が出てきたと思います。
なぜか唐突に出てくる「1」…。
割合も全く同じ。
割合は、「比べられる量」が「もとにする量」の何倍かという話。
この「もとにする」が「1倍にする」という意味になります。
もとにする量が「1倍」のとき、「比べられる量が何倍か」というわけです。
200円のリンゴを3割引きで売るといくらか、という例が挙げられていましたが、これは、200円を「1」として見た場合の、「0.7」がいくらになるかを考えることに等しい。
この「概念としての1」は、分数だけでなく、小数も、割合も、比も、ぜーんぶつながってくるので、ものすごく重要なポイントだと思います。
なぜ「1」にするのか(1でなければいけないのか)、あまりその説明がないような…。
あと、この記事に書かれていて興味深かったのは、こうした「数の概念」に関わる問題の正答率は、普通のテストのような正規分布の形にはならなくて、正答率が高い部分と低い部分の両側が山になるフタコブラクダのような形になっているという点。
「概念としての1」の意味を理解できないグループと、自然にわかるグループに二分されることを意味しています。
算数は中学入試でも配点が大きく差が付きやすい傾向があるが、もともと理解度が二極化しやすい性質があるのかもしれない。