最近、偏差値について書いてきましたが、男子校、女子校に続いて共学編ということで。
共学では首都圏最難関の渋幕は、S偏差値は男女とも65、Y偏差値は男子70、女子72。
以前、首都圏の女子校最難関校の偏差値について取り上げましたが、桜蔭のS偏差値は63、Y偏差値は71でした。
SもYも桜蔭を上回っています。
前回同様、各塾の渋幕の合格者数をもとにそれぞれの偏差値を推計し、塾が出している値と突合してみたいと思います。
S塾からは渋幕に383人合格していて、合格者数から推計される偏差値は、65.2になります。
(合格者数を0.8で割りもどし、模試受験者数の割合から偏差値を逆算したもの)
ほぼ理論値に近い値になっていることがわかります。
渋幕は1月下旬に1次入試、2月2日に2次入試が行われますが、S塾の1次入試の合格者数を337人(S塾の2月2日時点の合格者速報から)として推計すると、偏差値65.9になりました。
1次は偏差値が高めになりました。
一方、Y塾は、渋幕合格者数(176人)から推計される偏差値は、71.5。
男子70と女子72の間になりました。
Y塾は全国に提携先があり、首都圏以外のデータも含まれていますので、推計値は高めに出る傾向があります。
参考までに首都圏の提携先であるWという塾(渋幕合格者数222人)で推計してみると偏差値67.5となりました。
これまで開成や桜蔭の偏差値も推計していますが、それとの比較では以下のとおりになりました。
<S塾の推計値>
渋幕:65.2(1次65.9)
開成:64.6
桜蔭:64.1
<Y塾の推計値>
渋幕:71.5
開成:68.5
桜蔭:72.9
こうしたデータからも、渋幕の入試難易度は、開成や桜蔭に匹敵あるいはそれ以上といえます。
時期的には、渋幕1次は、1月の下旬に行われ、首都圏御三家受験層も参戦する形で、トータルで2000人近い受験生が集まります。
上位層が激突する、激しい競争になりますし、渋幕の入試問題は難易度が高く、平均点が低い年が続いています(配点の半分に達しないことも多い)。
ここで合格を得て2月から始まる東京・神奈川入試に弾みをつけるか、あるいは難しい問題が解けず自信を失うか、プラスマイナス両方の影響が考えられます。
共学進学校で、開成や桜蔭とは異なる雰囲気と校風ですし、場所が千葉の幕張ですから、結構違います。
志望校選択においては、進学後の学校生活もイメージして、偏差値だけで判断しないことが重要だと思います。