塾によって入試の難易度を表す偏差値の値が異なっています。

 

ここでいう偏差値は、塾に蓄積された、受験生の模試での偏差値と実際の合否のデータから、偏差値毎に見ていった場合に、合格率(その偏差値の受験生に占める合格者の割合)が80%を越えた値を示しています。

 

例えば、塾の模試で偏差値65以上の生徒100人がある学校を受験し、80人合格していた場合、この65を「80%偏差値」とする考え方です。

 

実際には、65に達していなくても合格した生徒がいたでしょうし、65を越えていても不合格だった生徒もいますので、一つの「目安」

 

塾が出している偏差値は、例えばYという塾では、開成が71麻布が68だった一方、Sという塾では、開成が69麻布が61というようになっていたとします。

 

この2校はいずれも2月1日が受験日で、首都圏男子校の最難関といえる学校。

 

開成については、71と69なので割と近い値になっているのに、麻布については、68と61ではレベル感に大きな差があります。

 

一体、どちらが正しいのか?

 

実際に計算して検証してみたいと思います。

 

Y塾の模試の男子受験者は7500人、S塾の模試の男子受験者は4500人とします。

 

Y塾の開成と麻布の合格者数は計191人で、191人を0.8で割り戻し、7500人に対する比率を求めると上位3.2%となりました。

 

これを偏差値に換算すると68.5となり、Y塾が麻布について設定している68に近い値になりました。

 

S塾の方は、開成と麻布の合格者数は計444人で、同様に0.8で割り戻し、4500人に対する比率を求めると上位12.3%となりました。

 

これを偏差値に換算すると61.6となり、S塾が麻布に設定している61に近い値になっています。

 

つまり、麻布についてのY塾の68と、S塾の61はどちらも概ね妥当な値といえます。

 

Y塾とS塾では、模試において受験生に占める両校受験生及び合格者の割合が異なりますので、このような結果となりました。

 

検証した値が若干高めに出たのはいくつかの理由が考えれますが、一つは、Y偏差値68以上(S偏差値61以上)の全員が開成又は麻布を受験するという前提をおいているためで、実際には、2/1に渋渋や駒東などを受ける受験生もいて、その差があること。

 

もう一つの理由は、開成と麻布の合格者は全て麻布の80%偏差値以上のところから出ているという前提をおいているためで、実際には、それより下の偏差値帯からも合格者は出ているはずなので、それを加味すれば、推計値はもうすこし下がると思います。

 

塾により、開成と麻布の間の差が大きく違うのはなぜかという点については、日を改めて考えてみたいと思います。

 

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