以前、男女別学の公立高校を巡る問題を取り上げましたが、「この令和の時代に公立で男子校とか女子校があるのか」という感じがしなくもありません。

 

日本全国には公立高校が3500校あり、うち男女別学の学校は44校あるという(朝日新聞調べ)。

 

逆に言えばそれしかない…。

 

「教育の在り方」として共学であるべきなのか、別学での教育の意義があるのか。

 

別学でやってきた学校において、少子化や国際化という社会や時代の流れの中で、学校の運営戦略として「今までのやり方」でいいのか。

 

親や生徒の側からみて、性差による成長曲線の違いを踏まえ、本人が「安心して学べる環境」は何がいいのか。

 

税金が使われている公立だから問題になるのであって、私立は全く関係ないのか(実際には私学も財政上や税務上の優遇を受けているところもある)。

 

いろいろな議論のポイントがあると思います。

 

わ男女別学の公立高校を巡る議論は、20年前にも起きていてました。

 

当時は、県側は「別学校の長い歴史と伝統」「県民の強い愛着と支持」「各校の主体性尊重」などを挙げ、「早期に共学化を実現するに至らなかった」としました。

 

果たして20年たった今でもこの認識は変わらないのか…。

 

男女共同参画社会基本法という法律ができましたが、それによって公立高校が全て共学化されたわけではありませんでしたし、私立については、そもそも共学化すべきだという議論になった記憶もありません。

 

教育基本法では「教育上男女の共学は認められなければならない」と規定されていますが、性別に関係なく教育を受ける機会の均等と教育内容・水準の同等性を確保するもので、全ての学校における共学を一律に強制するものではないというのが政府の公式見解です。

 

一方、文科省によれば、この規定は、教育は原則として男女共学で行われることが本来の在り方だという視点も含まれるとしています。

 

教育の専門家でも何でもありませんが、子どもの教育については親としての責任がありますし、最大の関心事の一つでもあります。

 

建前上「共学があるべき姿」としつつも、結局、学校を設置する国や自治体、学校法人に委ねられているのが実際のところだと理解しています。

 

中学受験では、以前男子校や女子校だった中高一貫校が共学化して人気化することがあります。

 

全体的に見れば男子校と女子校の数は減ってきています。

 

変っていく学校もあれば、変わらない学校もある。

 

我が子が安心して、居心地よく中学高校時代を過ごせるのはどんな環境なのか。

 

保護者や生徒からすると、今のところ「別学か共学か」を選ぶ権利が残されているということでもあります。

 

その権利がいつまで保障されるかわかりませんが…。