少数精鋭の中学受験塾、エルカミノとフォトンについて取り上げたいと思います。
共に、首都圏中学受験の絶対王者とも言うべきSAPIXよりも難関中に強く、算数指導に力を入れている小規模の塾です。
もっと早く知っていれば…。
合格実績
まずは11校(男女御三家、駒東、慶應普通部、早大学院、早実、フェリス)の合格実績を比べてみたいと思います。
これらの学校は、東京・神奈川入試初日(2月1日午前)に行われ、しかも入試は1回のみ実施されることから、合格者が重複しないので合算することで塾の合格実績を比較できます。
塾生に対する合格者の割合をみると、
SAPIXの11校合格率が約20%でした。
エルカミノ:
2024年は塾生139人に対し、11校合格者計34人(合格率24.6%)
フォトン:
塾生105人に対し、11校合格者計61人(合格率58.1%)
こうしてみるとフォトンの実績は驚異的。
特に桜蔭は16名受験して15名合格、女子学院は8名全員合格。
但し、フォトンは算数塾ですので、基本的に小4以降は他塾との併用が前提となりますので、この点は留意が必要。
ちなみに生徒の男女比は、両塾とも、男子:女子の比率が概ね7:3になっていて、男子比率が高いところは共通しています。
カリキュラム
エルカミノ:
低学年(小1~小3)は、国算の2科目コースがあり、算数はパズル教材をつかって論理的思考力の基礎を育成、小3の10月以降、小4の学習内容を先取り。
国語は、先取りや問題演習ではなく、「文章の読み方」にウエイトを置き、詩の音読なども。
小4からは中学入試に向けた4科のコースがあり、算数については飛び級する生徒の指導も行われます。
飛び級希望者はテストを受け、算数担当の先生が可否を判断。
小3時に飛び級すると、小4クラスに編入され、小4時は小5クラス、小5時で小6クラスとなり、小5の1月末までに中学入試算数のすべての単元を消化。
フォトン:
算数の先取りに特化しており、低学年は、2年生飛び級コースと3年生飛び級コースがあります。
ともに5年生末で6年生の学習内容を修了するもので、4年生以降に入塾する通常コースとは別クラスという特徴があります。
(2024年度は105人の生徒のうち89人が飛び級クラス)
「先にリードして勝つ」「大手進学塾よりも先のことを行い、大手進学塾が復習になる」ということを言っています。
先取りについては、「できる子が上の学年に先に進んで勉強する」のとは異なり、「普通の人」が「人と違うこと」をすれば「人と違う結果」になるとの考えから、独自の算数強化戦略に基づく授業やテキストを用意。
フォトンは算数に特化しているので、小4以降は、大手塾との併用が前提となります。
ちなみに、SAPIXでは小6夏までは総復習が続きますので、小5までで全範囲を修了できれば、そこからは演習や志望校対策を本格的に進めることができるのがメリットとなります。
(つづく)