中学受験塾を経営している方から聞いた話を取り上げます。
中学受験には能力面の適性があり、それは小4の夏くらいまでで大体わかるという。
その方の見解をまとめると次のとおりです。
中学受験の適性とは、センスというよりは「論理的な思考力」であり、算数も国語もこれが必要。
適性の有無は塾では教えてくれない(適性がないと言うと入塾してくれない)。
小2くらいまででこれを見極めるのは難しく、小3以降でないと見えにくい。
中学受験算数では計算力が必要だが、それだけでは不十分であり、思考力がないと意味がない。
算数でいえば、数の理解であり、目の前の数えられる数字ではなく、抽象的な「概念」として理解できるかどうかが分かれ目。
低学年で小6までの計算を先取りしていたとしても、単に「計算の仕方」を知っているだけかもしれず、それでは適性はわからない。
逆に、低学年時に先取りしていなかったとしても心配する必要はない。
適性を見分ける方法その1:小数・分数の理解
学校では小3になると小数・分数を習うが、計算だけなら誰でもできるようになる。
問題は、小数や分数を理解しているかどうかで、例えば、次のような質問をしてみるとそれがわかる。
1時間は60分と説明した上で、
「0.3時間は何分か?」
「5分の1時間は何分か」
適性を見分ける方法その2:単位の換算
小3で長さとか重さの単位(1km=1000m、1kg=1000gなど)について学習した後に、例えば、次の質問に答えられるか。
「2080mは何kmか」
「0.06㎏は何gか」
上記の質問にすぐ答えられれば問題ないが、そうでない場合は厳しい戦いになることを覚悟すべきだという(適性を無視して、「やればできる」として量でカバーしようとするのが最悪)。
これはあくまで最低限クリアしているかどうかを見るものなので、できたから適性がある、ということではないらしい。
興味深い方法だと思いました。
小3で中受塾に通い始める前に、中学受験への適性があるか知りたいというニーズはあると思います。
ここで次に疑問に思うのは、思考力とは、生まれつきのものであって伸ばすことはできないのかという点。
専門家ではないのでこれに答える知見は持ち合わせていませんが、「生まれつき」説をとれば、早期教育はあまり意味がなく、その資質を発揮する場を与え、本人が意識すれば、あとは勝手に伸びていくということになります。