ある私立高校の男性生徒が期末試験でのカンニングが見つかり、その2日後に自殺したというニュースがありました。

 

2021年のことだそうですが、教師らの不適切な指導が原因だとして、両親が、近く学校側に損害賠償を求める訴訟を提起するということでした。

 

私立の中高一貫の進学校で起きた痛ましい事件。

 

なぜ自殺しなければならなかったのか。

 

なぜそこまで思い詰めてしまったのか。

 

学校側の指導の問題なのか。

 

家族との関係、家庭内の事情が影響しているのか。

 

本人がどう感じていたのかを確かめることはできません。

 

不正行為、やってはいけない事をやった場合には、責めを負わなければならないのは当然のことです。

 

重大な違反行為は決して許容されるべきではありません。

 

それは学校だろうが企業だろうがどこでも同じ。

 

会社で毎年、ハラスメント防止研修がありますが、「叱り方」が難しいと感じます。

 

ある程度厳しい改善指導をすることは上司のなすべき正当な業務で、部下を叱責することが全てパワハラに該当するわけではありません。

 

能力不足に対する厳しい叱責は許されないケースが多いが、重大なルール違反があった場合に強く指導できるとされます。

 

成績が上がらないのを非難するのはいたずらに精神的な苦痛を与える結果をもたらすのでNG。

 

一方、ルール違反や秩序を乱す行為は、気を付ければ守れることや約束したことに反するものなので、強く非難されるべきものとされます。

 

とはいえ、令和の時代においては「叱責の仕方」には特に配慮が必要だと感じます。

 

正当な業務行為でも、言葉ひとつでパワハラになり得る時代になりました。

 

他の人がいる面前で叱責したり、全人格を否定するような言葉を使ったら、それだけで一発アウトになります。

 

それを恐れるあまり、叱らなければいけない場面できちんと叱れない上司が増えていることが問題になっているほど。

 

中高一貫校は、厳しい規律で徹底した管理型の教育を行うところもありますが、こんな時代だからこそ、そうした厳しさが必要な面もあるかもしれません。

 

問題は、その「やり方」で、保護者としては大事な子どもを学校に預けることになるので、校風とともに、どんな指導が行われている学校なのか、出来る限り複数の在校生やその保護者に聞いて情報収集することが大切だと思います。