最近、会社で「今の仕事が合わない」と言って辞めていく若手社員がいました。
自分に合う仕事は他にあると考えていたようでした。
自身も経験がありますが、「自分に合う仕事探し」はキリがないところがあります。
どこかで折り合いをつけないといつまでも続けることになりかねません。
好きな作家に浅田次郎氏がいますが、彼の作家デビューは40歳と遅い方で、職を転々とした経歴があります。
あるインタヴューで、「自分の才能を信じなければ本当の努力はできないが、才能を過信したら努力はできない。そして、それ以上に大事なことは好きであること。」と言っていたのが印象に残ります。
小説が本当に好きだったからこそ、40歳まで書き続けることができたといいます。
自分を信じて続けていなければその才能が開花することはなかったわけです。
誰でも自分の好きなことを仕事にできるとは限りません。
「好きになれそうなこと」を選んで、その仕事を好きになってみる。
今やっていることを好きになれなければ、何をやっても好きになることができないかもしれません。
自分のことをふり返ってみても、きちんとキャリア設計して人生を作ってきたわけではなく、「たまたま」なところも多々ありました。
当初思い描いていた職業につくことはできず、たまたま出会った仕事を好きになり、そうしたらそれを楽しむことができ、結果も付いてきたようなところがあったと思います。
子どもの中学受験に付き合ってきましたが、受験勉強も少し似たところがあります。
「やる気が起きない」、と言っていても、待っていればやる気が起きてくるものではありませんでした。
何も考えず、まずとにかくやってみる。
やっているうちに少しずつわかってくることがあります。
わかると少しスッキリします。
出来ると好きになり、もっとチャレンジしたくなるという好循環がまわるのが理想。
苦手科目はなかなかそうなりませんでしたが…。
悩みました。
親としては、あの手この手で勉強に着手するハードルをいかに下げることができるか、を考えていたように思います。
そして、続けていく。
中学受験が仕事と決定的に違うのは、やらなくてはならないものではないこと。
好きになれなければ無理にやる必要がありません。
小学生相手にはるかに高度な内容をぶつけてくる、「変な」世界でもあります。