首都圏の難関中高一貫校の「倍率」について取り上げ、直近のデータで見てみたいと思います。
開成、麻布、桜蔭、女子学院を例に考えます。
4校の募集定員合計は1075人ですが、2024年の合格者数は計1,346人でした。
辞退者を見込んでいるため定員の1.25倍の合格者数となっていました。
出願者の中で実際に2/1の試験を受けた受験者数は計3259人。
実質倍率は2.4倍。
年により若干の変動がありますが、ここ数年大きく変わっていません。
2倍ちょっとなので、低いように見えますが、トップ層がこぞって受けに来るのでかなりシビアな競争に思えます。
どの学力層がどれくらい受け、どれくらい受かっているのか。
2024年の首都圏中学入試において、2/1午前の受験生は約4.3万人でした。
偏差値70以上(ここでいう偏差値は幅広い受験生をカバーするY偏差値のイメージ)の「鉄板層」の割合は統計的に計算すると、約1000人います。
鉄板層が全員、上記4校を受験したと仮定すると、ほぼ確実に合格するでしょうから、1346人の合格者のおよそ4分の3を占めることになります。
すると合格者数の残り346人が、鉄板層以外の受験者(2259人)から出ている計算。
ここでの競争倍率は6.5倍になります。
とても厳しい。
2/1午前の受験生に占める偏差値65~69の割合は統計的に約1900人。
この「上位層」が全員上記4校を受けるとは限りませんが、厚みがイメージできます。
この上位層の中では実力の差はわずかだと思います。
当日の調子や、たまたま得意・不得意な問題が出たという「当たり外れ」、普段間違えないようケアレスミスが出た、など「ちょっとしたこと」で結果がかわってしまう。
留意点としては、この「偏差値」は、小6の秋から冬時点の模試がベースになることが多く、本番までのタイムラグがあること。
また、模試の場合、標準的な内容のテスト形式で難関中の本番形式とは大きく異なるということ。
必ずしも偏差値通りの結果になるとは限らない。
なので、小6秋以降の模試の結果は良くても油断せず、悪くても気にしないのがよいと思います。
秋以降は、過去問を解きながら前日まで学校別対策をひたすら続けることが重要になってくると思います。