中学受験では小学校で習う内容を遥かに超えたものを扱います。
一部の中学入試問題は、難問・奇問があり、こうした問題を小学生に解かせようとして受験一色の過酷な受験生活になってしまうという人もいます。
中学入試は全員がやるものではなく参加は自由で、限られた地域でのニッチな競争にすぎないと考えています。
全体的にみれば8~9割の大部分の小学生は中学受験しません。
学校側は、自分たちが「欲しい生徒」を選別するため、入試で「ふるいにかける」わけです。
受ける側も学校を「選び」ます。
学校は、はっきりした「個性」がない学校もありますが、強い拘りや独特の校風をもつところもあります。
我が子にとってベストな環境、そして家庭の考え方に合うところを探します。
そして、入試問題の「攻略法」を考えます。
大人でも解けないような、やたらと難しいものや、非常にマニアックな出題をみて、「こんなものを小学生に解かせるのか」「悪問だ」と違和感をもつ人がいるかもしれません。
「悪問」とは
問題の設定自体が間違っていて絶対に解けないとか、問題文があいまいでわかりにくく、いくつもの答えが存在してしまうような問題だったら困ります。
難しいけれども一応解けるのか、難しすぎてほとんどの人が解けないのか。
いろいろな問題があります。
「試験で問われるべきレベル」とか、「適切な難易度」というのはどこできまるのか。
難関中学で出す問題は、殆どの受験生にとって「初見」の問題を、その場で考えさせて回答させるものが多くなっています。
一見すると、中高生や大学生に聞いてもおかしくないようなものも。
それを小学生相手に聞くのはある意味「無茶振り」。
例えば、今年の渋幕・社会で、裁判制度について出題されました。その中で、
「休日や深夜にも裁判官が裁判所に宿直している」理由を問う問題がありました。
法学部の学生に聞いてるの?
それを「知識」として知っているかどうかを問うているわけではありません。
学校側としては、「知っている」ことは期待していないと思います。
そうではなく、既存の知識を「使って」あるいはそこから「類推して」考えることができるかどうか。
普通の大人がもつ「常識」で考えることができるかどうか。
当てずっぽうでも考えて何か答えを書かないと点が取れません。
渋幕の裁判に関する問題では、よくあるテレビ特番の「警察密着24時」とか、弁護士や法廷が舞台のリーガルドラマを見ているとわかるようなものが多くありました。
日本国憲法を読んだことがあるかないかでも全然違います。
それを「知識」の「暗記」でカバーしようとすると、中学受験は単なる「苦行」になってしまい、正しいアプローチではないと思います。
こうした問題は難しく、平均点も低いので、満点(高得点)を目指す必要は全くありません。
出来たら凄いけど、出来なくても別に何ともない、という割り切りが必要で、そう思わないとやってられません。
(結構いいことが書いてある)