子どもは算数が好きで得意でしたが、全分野そうだったわけでもなく、苦手とする分野もありました。
そんなとき、「この手の問題はどうも好きになれない」
と言っていました。
好きになれないのは、楽しめないから。
何故楽しくないかといえば、できないから。
算数は積み上げていくので、わからない部分があると、そこから先に積み上げていく基礎が危うくなり、分からない部分が増えていく性質があります。
単元ごとに勝負できる理科など他の科目との大きな違いです。
算数専門の少数精鋭塾フォトンの塾長によれば、「算数ができる子が算数を好きになる」のであって「算数が好きな子が算数ができるようになるわけではない」と。
経験上、算数の問題ができないケースは、大抵は以下が原因だと思います。
原因1:計算を間違える
ケアレスミスもありますが、計算間違いが多いと面白くありません。
計算は奥が深いと思いました。
単に四則演算の記号どおりにやればいい、正確に筆算すればいい、というものではありませんでした。
例えば、75×75 のような計算。
わざわざ筆算せず、頭の中で、70×80+25、パッと5625と出す。
計算の仕方を工夫したり、楽に出す方法を考えたりするのが醍醐味でした。
(計算公式を覚えるのではありません)
原因2:レベルが合わない問題を解いている
本人の実力と問題のレベルが合っていないと当然解けません。
ゲームと同じで、クリアできなければ面白いわけがない。
特に難解な問題はいくら考えても時間が流れていくだけでしたので、「この問題を解くには早すぎる」と考え、解説も見ずにパスしていきました。
原因3:問題文を読んでいない
流し読み、数字の拾い読みをして、勝手に思い込んで解き始めることが散見されました。
問題文で図形の長さを聞かれているのに面積を答えたり…。
愕然としました。
本当に「読んでいない」ことが多かったです。
原因4:根本的な理解不足
理由は、いろいろだと思います。
・掘り下げて考えていなかった
・教わった解き方がその問題では使えなかった
・習った解き方を忘れた
例えば、分数同士のかけ算で、分母どうし、分子どうしをかけて計算するのはなぜか?
「そう習ったから」
これでは全く説明にならず、理解できていないことになります。
たどたどしくてもいいので自分の言葉で説明できればわかっています。
分数がわからないと割合も比もわからなくなってしまいます。
円周率とは何か?
と聞かれ、「3.14」
というのも全く見当違い。
「率」とあるので、何かに対する何かの比率になっているはずです。
ちなみにこの問いは、実際にいくつかの私立中で記述して説明させる問題として出ました。
問題の解き方を覚えるのは必須ですが、「何をやろうとしているのか」「どうしてそのやり方で答えが出るのか」を理解していないと、別の聞き方をされたり、少し時間が経つと記憶に残らず解けなくなってしまいます。
子どもが苦手なものがいきなりできるようになったり、好きになったりすることはないですが、原因を考え、少しずつでもできるようにしていくといいと思います。