以前、入試が2/1だけの学校について取り上げました。
首都圏の人気の名門校が並びました。
2/1の1回入試校は難関校ばかりですし、受験生も志望度が非常に高いケースが殆どだと思いますが、一方で、これらの学校に合格しても進学せず辞退する受験生がいるのも事実です。
これらの難関校であっても受験生に「選ばれる」立場にあるといえます。
御三家レベルの学校に合格したのに辞退するとは信じられないかもしれません。
参考までに、主な1回入試校(2/1の1回だけ入試を行う学校)について、2023年の合格者数の募集定員に対する割合を示すと以下のとおりになります。
例えば100人の募集定員に対し、120人の合格者を出している場合、120%と計算されます。
100%を上回る20%分は、学校側が過去の経験則に基づき、これくらいの入学辞退者があり得ると考えて織り込んでいる数字と解釈できます。
(値が大きい順)
開成:140%
駒東:127%
桜蔭:123%
麻布:122%
雙葉:122%
早実:117%(男子)、120%(女子)
武蔵:116%
女子学院:115%
フェリス:111%
早大学院:109%
慶應普通部:108%
早慶系が比較的低くなっているのは大学のブランド力を感じさせます。
開成は40%と高くなっていますが、併願状況から、筑駒など他の先に合格した場合にそちらを選ぶ受験生がいると推測されます。あとは関西などからの遠征組。
御三家でも定員に対し概ね20%前後の辞退を見込んでいるというのは少し意外かもしれません。
年によっては、学校側の想定を上回る辞退者が出て、後から繰り上げ合格をだしているケースもあります。
塾の合格実績の速報を見ていると、2月上旬の統一招集日前後で追加的に合格者数が増えることがあり、ここに繰り上げ合格による増加分が含まれていると考えられます。
つまり、実際の辞退率はより高くなる可能性があります。
難関中合格者が上記以外で向かう先としては、併願状況から推測すると、私立の渋幕、渋渋、慶應中等部といった共学校や、国立の筑附、筑駒などが考えられます。
また、男子校では、聖光、栄光といった神奈川校、女子校では、豊島岡があります。
最近子どもが中学受験した親と話す機会が増えましたが、偏差値だけでなく、家庭の教育方針や志向、校風などをより重視するようになってきていると感じます。
学校側もこうした動きは無視できないものになってきているように思います。