中学受験に関わる親にとって、気になる話題のひとつが「早生まれは中学受験に不利か否か」という問題。
小学校入学時における生まれ月の差はとても大きなもの。
同じ学年に、誕生日が丸々1年近く違う子がいるので当然です。
ですが、3、4年生くらいになると、あまり変わらなくなってくるようにも感じます。
子どもが通っていた公立小の同じクラスに、いつもクラスを引っ掻きまわして授業を妨害しまくり、先生に注意されっぱなしの子がいましたが、その子は3月生まれ。
我が家もその被害に遭ったことがありますが、先方の親に苦情を言うと、
「ウチの子は早生まれなので、わかってないんです」
と全く言い訳にならないことを言い出した。
他でも何題を起こすたびにそう言っていたらしい。
そんなの関係ないでしょ…。
中高一貫校では、アンケートを取ったわけではないが、周りに4、5月生まれの子が多い。
他の親と話していると、子どもが早生まれだけど中学受験では全く不利とは感じなかったというケースもありました。
実際はどうなのか。
3年くらい前に東大の先生が発表した研究によれば、生まれ月の差は小学校にとどまらず、高校受験においても4月生まれと3月生まれでは、入学する学校の偏差値の差が4.5ポイントあったという。
学力だけでなく、非認知能力でも差があり、大人になっても続く。
4-6月生まれと1-3月生まれでは大学進学率が異なるうえ、30代前半の所得を比較すると、早生まれの人は遅生まれの人より4%低い。
「早生まれは不利」というのは「都市伝説」ではなく、一般的、統計的には事実だといえます。
海外の研究も同様。
アメリカなど海外では、早生まれの場合に敢えて1つ下の学年に入学させることができ、そうする親も多いと言われています。
日本の教育制度ではそこまでの柔軟性はありません。
早生まれの子、特に男子の場合、どうしたらいいのか?
以前、中学受験は、条件が同じでない子どもの競争だと書いたことがあります。
男女の成長スピードの違いもあるし、個人差も大きい。
子どもの学習に対する興味や姿勢の違い、先取り学習の有無もある。
生まれてから小学生になるまでの経過も違う。
家庭環境も異なります。
親が理系、国立大卒で勉強を教えるのが得意かもしれません。
フルタイムワークではなく、時間の融通が利き、必要な時間だけ子どもの勉強フォローに割くことが出来るかも知れません。
大手塾に加えて個別指導や家庭教師など、フル課金する家庭かもしれません。
つまり、最初から同じ土俵の上での勝負になっていない面があります。
そうでなければ、多くの子が中学受験の準備を始める小4の時点で大きな学力差が存在することを説明できないと思います。
走るスピードの違いだけはありません。
そもそも同じところからスタートしてないし、サポート体制も全然違う。
実にアンフェアな競争。
早生まれかどうかという点は、有利・不利になり得るファクターですが、それ以外の数ある条件による影響もとても大きいもの。
子どもの受験に伴走した経験から、そもそも条件が違う他の子と比べてもあまり意味がなく、また、本人の性格や精神的な成熟度は外からの力で変えようとしてもそんな簡単に変わるものではないと感じました。