中学受験を中心に執筆や講演を行っている、教育コンサルタントで森上研究所所長の森上氏が、最近、中高一貫の進学校で理系進学率が急上昇しているという話を書いていたので、このことを取り上げたいと思います。
この3年で、理系進学率が急速に上昇している学校として、栄光、海城、鷗友、市川といった学校を挙げていました。
特に、栄光と海城では、4~5割程度から7割に上昇したという…。
ホント?
卒業生の7割が理系学部に進学するような印象を持ってしまいますが、よく読むとそうではありませんでした。
示された合格率は、卒業者数を分母とし、理系学部の合格者数を分子とした割合で計算していました(つまり進学者数ではなく合格者数)。
これだと1人で何校も合格した場合は全てカウントしてるし、現役生だけでなく、浪人生も含まれているようでした。
実際、どうなのか?
海城について学校HPに掲載されている大学合格実績を確認してみました。
合格者数の重複が比較的少なくなるように、国公立大の合格実績を現役生に絞って見てみました。
過去5年の、卒業生の国公立大学現役合格率は、37%~48%の間で推移していました。
おおむね4割前後で変動していて、増加または減少といった傾向はみられませんでした。
次に、東大と京大の理系学部、東工大、国公立医学部の現役合格率(卒業生に対する割合をみてみると、17%から25%で推移していて、こちらはおおむね2割前後。
学校側が、全ての合格大学の学部別の内訳を開示していないので、これ以上分かりません。現役での大学進学率も不明です。
上の数字を見るかぎりは、理系学部の現役合格率は過半だと思いますが、過去5年みても増減あり、急速な増加傾向というものは確認できませんでした。
理系中心だと思いますが、あまり変わっていないように思います。
理系進学率が近年急上昇、というのは当たってないような…。
コラムでは「理系への進路の変化は、生徒の意識の変化によるもので、企業の採用が大きく理系に傾斜している実情を反映していることは間違いないだろう」と書かれていましたが、その根拠は何も書かれてませんでした。
他のところでは、「MARCH付属校の理系進学率は10%前後とかなり低調」で、そうした学校も「自大学の理系学部との連携を密にすることで変わる可能性がある」と言っていました。
理系は頭が良くて就職にも有利、ということを言いたかったのかなあ…。