小6では9月以降、順次、過去問演習に入っていくと思います。
我が家でも子どもが中学受験をしていて、小6で過去問を解き始めた頃、志望校の合格点に届かず不安でした。
中学受験塾代表の矢野耕平氏が、夏明けに志望校の過去問で合格点に達しないことが多い背景について言っていたことを紹介したいと思います。
夏明けに過去問を解いても合格点に達しない
塾では9月から子どもたちに「過去問演習記録表」や「過去問演習ノート」を提出してもらっているが、過去問に取り掛かった最初の頃は、合計点が合格ラインに達する子など皆無といって過言ではない。
第1志望校に合格した子であっても、9月時点の過去問合計得点は合格者平均点(あるいは、合格最低得点)に50点、なかには100点ほど足らない子も大勢いた。
「合格に向けた総合的な力」が培われるのは、6年生の秋から冬にかけて。
6年生はこの夏に膨大な時間をかけて各科目の「復習」を行っていると思うが、「単元別」であることが多い一方、入試問題は「単元別」ではなく「単元横断型」がメイン。
たとえば、社会の問題で「広島県」をテーマにしたものが出題されたとすると、「地理」に限らず、今年開かれた広島サミットから派生して、これまでのサミットの歴史や、ウクライナ大統領が出席したことから、ロシアとの戦争の背景に広げたり、広島に投下された原爆を切り口に、核兵器の使用を抑止する条約などを問うことも可能。
つまり、「広島県」をテーマにした「地理」「歴史」「公民」の横断型の出題がされる。
ところが、受験生は「横断型」の総合的な学習にはまだ慣れていないため、夏明けのこの時期に志望校の過去問で合格点に及ばないのは当たり前のこと。
入試問題を作る学校側の思い
矢野氏が某女子校の国語教員に入試問題について取材した折、こんなことを口にしていたという。
『入試問題を作成する際、必ず過去問を何年分も見返し、昨年度までと比較して難易度にブレはないか、問題の体裁はちゃんと過去のものを踏襲しているかをチェックしています。
受験生たちには過去問に時間をかけて取り組んでほしいと思っています。
過去問をベースにして、新しい入試問題を作成していますから。
学校説明会でも『過去問をたくさん解いてください』とアドバイスしています。
入試問題を作成する教員たちには、『わが校に入学したいと過去問にしっかり取り組んで準備をしてくれる受験生に良い点数を取ってほしい』という思いが根底にあるはずです。』
コメント
実際に中高一貫校で行われている教育は、大学受験に向けた受験テクニックというよりも、特に中学では、自分で課題を設定して自分で考えて答えを出したり、一つのテーマをとことん掘り下げたり、部活や行事を通じてリーダーシップやフォロワーシップを身に付けていくものが中心。
難関中の入試問題は、単に知識や計算力を問うのではなく、その場で情報を読み取ったり考えたりする力を問う、練りに練られた内容になっています。
これは、中学に入学した時点で、自分で調べ自分で考えることのできる子を入学させたいという学校側の意図が働いているように思います。
これらの学校の過去問を見ると、入試問題を作成している学校の先生は、塾で教える受験テクニックだけでは合格できないような問題を作ろうとしていることがうかがえます。
そうしないと入学後に当の先生たちが苦労させられるからだと思います。
過去問での点数だけでなく、その学校が何を意図して作問しているか、そのレベルに届くためには何をやればいいかを考えるきっかけにするのが大事な気がします。