中学入試において、一般に、算数は点数のばらつきが大きく、国語は差が付きにくく、理社はばらつきが小さいというイメージがあります。
そこで、実際の模試データを見てみたいと思います。
子どもが小6で受けた2021年秋冬のサピックス・オープン模試4回分のデータをもとに、科目毎のばらつきを計算してみました。
科目毎の4回の模試平均点(四捨五入しています)は以下のとおりでした。
算数:83点(150点満点)
国語:100点(150点満点)
理科:60点(100点満点)
社会:59点(100点満点)
4科目:303点(500点満点)
次に、科目毎の点数のばらつき(標準偏差)は以下のとおりでした。
算数:27点
国語:18点
理科:16点
社会:16点
4科目:64点
この点数の値が大きいほど、点数のばらつきが大きいことを示しています。
国語は150点満点にも関らず、理科や社会と同じくらいの値になりました。
算数と比べても国語のばらつきはかなり小さいです。
理科と社会は平均点も同じくらいで、ばらつきの大きさもほぼ同じ。
つまり、点数分布が非常に似通っていることがわかりました。
数値の見方ですが、平均点が偏差値50で、標準偏差は、偏差値に換算すると10ポイントです。
例えば、算数で、平均点(83点)プラス1標準偏差(27点)だと、110点となり、偏差値60(50+10)というように見ます。
平均点(83点)プラス2標準偏差(54点)であれば、137点で偏差値70になります。
各科目の偏差値60ラインを示すと次の通りになります。
算数:110点
国語:118点
理科:76点
社会:75点
4科目全て偏差値60だとすると4科目合計で379点となり、偏差値は62でした。
偏差値62は、サピックスオープンでの開成の合格ライン(合格可能性50%)と同じでした。
つまり、4科目全てで万遍なく偏差値60を確保すると開成の合格ラインに達します。
4科目バランス型が強いことがデータから裏付けられます。
難関中攻略の第一は、4科目でバランスよくSAPIX偏差値60を目指すことにあると考えます。
得手不得手がある場合は、どの科目でどれくらい目標(ベンチマーク)との差があるのか、どこから優先的に対応するのかを考える必要があります。
とりわけ、4科目の中で算数の点数のばらつきが突出して大きいことがわかります。
算数は平均点が得点率でみて55%程度と4科目の中で最も低く差が大きいので、ここを得点源にできるとかなり有利です。
もし算数を得意科目とすることができ、偏差値65(124点)取れると、残り3科目(国理社)は全て偏差値57でも開成合格ラインに達することができる計算です。
逆に、算数の偏差値が55(97点)だったとすると、残り3科目(国理社)は全て偏差値63程度は取らなければ4科目で同じレベルになりません。
算数を得意とすると有利になり、逆に算数が取れないと他の科目で挽回するのが非常に難しいことがわかります。
算数が得意であれば、それを伸ばし、短期的には理社を固めることで点数アップを図ることができます。
経験上、国語は対策すれば必ず効果が上がりますが、即効性はあまり期待できません。
算数が得意でなかったとしても、すぐに改善できる余地は必ずあるはずで(単純な計算ミスや勘違いなど)、それによって算数の失点を最小限に抑え、他の得意な科目に磨きをかけることがとるべき戦略になると思います。