かつて、大学入試改革の一環で、共通テストに記述式を導入しようという計画がありましたが、採点技術が追いつかず見送りになった経緯があります。

 

しかし、記述式導入により測ろうとしていた課題解決能力は、過去3回の共通テストに組み込まれていて、国語、数学ともに日常的、現実的な課題が扱われています。

 

今年の数学では、バスケットボールの2つの軌道を比較する二次関数の問題などが出題されました。

 

日常的な課題は身近にイメージしやすいところもありますが、半面、条件設定が複雑になり、問題文は長くなり、長い文章から要点をピックアップして整理する「読解力」が必要になります。

 

計算量もふえるので、時間配分が読みにくくなります。

 

国語では、複数の文章を読んで比較しながら解く問題が出題されています。

 

実際の課題解決の現場ではひとつの文章だけを検討して解決を図ることはあり得ないので、より現実に即しているといえます。

 

ある教育ジャーナリストは、こうした日常的、現実的な課題解決を求める問題は類題が作りにくく、過去問を解くような対策がしづらくなると指摘しています。

 

そして、自分がもっている知識や思考を総動員して「その場で何とかする力」が必要といいます。

 

中学入試でも、特に難関中では同様の傾向がみられます。

 

例えば渋幕の問題などはそれに近いのではないかと思います。

 

学校側では、受験テクニックや解法暗記では解けないような問題を工夫をこらして作り込んでいますし、国語のみならず、それ以外の科目でも記述式の出題を増やしています。

 

前提となる知識を求めず、解法を覚えていることや計算技術よりも、そこに書いてある文の意味を読み取り、それに従って推論できるか、つまり「読解力」が問われています。

 

具体的な対象を観察し、そこに存在するルールを見つけ出して解決していく。

 

見たことのない問題でも、じっくり取り組んで手がかりを見つけられるかどうか、と言った点を見極めようとしています。

 

算数の問題であっても、国語のように、問題文の中にあるヒントをキャッチできるか、最初の小問の答えが次の小問の手がかりになっていることに気付くことができるか、というような点も見ようとしています。

 

計算して答えが合っていればいいというものではなく、どう考えて問題を解決したかという思考のプロセスを重視するようになっているともいえます。

 

中高一貫校の入試では、大学入試改革に先駆けてそうした取り組みを行ってきたともいえ、大学入試改革を見据えてますます思考力重視の流れが進むのではないかという気がします。

 

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