子どもの成績や授業の理解度を上げたいと考えるのならば、身につけておくべきは「読解力」だといわれます。
読解力がある子は、算数の点数も高いことが裏付けられるといいます。
算数の文章問題は、算数ではなく、国語です。
算数の問題というと、計算するイメージがあるので、文章に出てくる数字を使って計算する手順を覚えようとしがちですが…。
何が問われているのかを正確に理解することが出来れば半分できたようなものだと思います。
そして、問題文の数字と条件を徹底的にマーク。
中学受験算数では、特殊算がいっぱいでてきますが、それに速さの問題がからんだりすると、かなりヤヤコシイことになります。
ある私立中で実際に出た次の問題で具体的に考えてみたいと思います。
問題:兄は学校へ、弟は幼稚園へ行くのに、兄弟同時に家を出ました。
兄は分速40m、弟は分速30mで歩き、兄の方が弟よりも7分長く歩いて学校につきました。
兄の歩いた距離は弟の歩いた距離よりも360m長かったそうです。
兄は学校まで何分かかりましたか。
聞かれているのは、お兄ちゃんが家から学校まで歩いて何分かかるかということ。
まず、お兄ちゃんが学校へ、弟君が幼稚園に行くので、行き先が違っています。
道のりが違うことが予想されますが、そこは何も書かれていません。
最初に出てくる数値は、お兄ちゃんと弟君の歩くスピード。
特に、お兄ちゃんの方が歩くスピードの方が弟君より速いというのが大きなポイントです。
次に、「兄の方が弟よりも7分長く歩いて学校に」というフレーズ。
お兄ちゃんが弟君より長く歩いたのはいいけど、弟君が何分歩いたかはわかりません。
弟君が歩いた時間とは、家からポテポテ歩いて幼稚園につくまでの時間。
これが分かればいいのですが…。
その次に注目すべきは「兄の歩いた距離は弟の歩いた距離よりも360m長かった」
今度は「時間」ではなくて「距離」が出てきました。
弟君が歩いた距離はわかりません。
ここから先は、情報を集約していくのがポイントで、図を書いていくことがよく行われます。
図を書くのは情報を集約して整理するため。
慣れないうちは、いきなり式を立てて計算しようとせず、条件同士の関係を考えていくのがいいと思います。
お兄ちゃんは弟より歩くスピードが速い上、7分も余計に歩いているので、弟君が歩いた距離よりもずっと遠くまで行くことが想像できます。
弟君が歩いた距離とは、「家から幼稚園までの道のり」。
お兄ちゃんが歩いた距離は、「家から学校までの道のり」。
この差が360m
お兄ちゃんが7分余計に歩いた距離は、お兄ちゃんの歩くスピードから計算でき、それが280m。
さっきの360mと比べると、80m分の差が出てきます。
この差は一体何なのか、なぜ差があるのか、を考えるのがこの問題の最大のヤマ場。
二人の歩くスピードに差があるので、時間が経つほどその差はどんどん広がります。
お兄ちゃんの方が歩くのが速いので、弟が幼稚園に着くまでの間に、より遠くまで歩けます。
そこからこの差が生まれます。
お兄ちゃんと弟君のスピードの差は毎分10m、つまり1分あたり10mの差が開きます。
同時にスタートしてから80m分の差ができるのはどれだけの時間がかかるかと考えればいいことになります。
旅人算の問題ですが、原理は、1個あたりの差が集まって全体でどれだけの差になるかという「差集め算」と同じです。
以上は割とよくある解き方ですが、距離と時間が入り組んでいます。
問題で聞かれていたことに戻ると、お兄ちゃんが家から学校まで歩いたときの所要時間でした。
時間をベースに考えることはできないでしょうか。
お兄ちゃんは弟君よりも7分多く歩いているので、弟君の幼稚園までの所要時間がわかれば、これに7分足したものが答えとなります。
家から学校までの道のりの間に幼稚園があるとすると、お兄ちゃんが弟君よりも多く歩いた360m(幼稚園から学校までの道のり)を歩くのにかかった時間は、そのスピード(毎分40m)から、9分だとわかります(7分ではありません!)。
お兄ちゃんは、弟君が幼稚園についた時点から7分追加で歩いているので、差の2分は、弟君が幼稚園に着くよりも「2分早く」幼稚園に着いていたことを意味します。
お兄ちゃんと弟君のスピードの比が4:3なので、家から幼稚園までの所要時間の比は、その逆比で3:4になります。
(当然ですが、お兄ちゃんの方が歩くのが速いので所要時間が短くなります)
この3と4の差が2分なので、弟君が幼稚園まで歩くのにかかった時間はこの4倍、8分だとわかります。
これに7分足したものが答え。こっちの方が計算がずっとシンプルです。
最近、「大人のための中学受験算数」なる本が出ています。
大人も中学入試問題を解くことで、予測困難な時代を生き抜く発想や考え方を鍛えることができる(?)とされています。
