中学受験の際の志望校の選択肢として、私立中学以外に、国立中学や公立中高一貫校があります。
国立中についてはこれまで何回か取り上げたことがあります。
国立中と公立中高一貫校は、共に公的な教育機関である点は同じですが、いろいろ異なる点があります。
東京都で考えたいと思います。
都立の中高一貫校は、中学と高校が併設されている「併設型」と、中学と高校を分けず6年間の一貫教育を行う「中等教育学校」があります。
「中等教育学校」は高校からの生徒募集はなく、「併設型」は高校での生徒募集がありましたが、2021年度から次々と高校募集が停止されています。
国立中の方は、都内に8校ありますが、うち中等教育学校は、東大附属と学芸大附国際だけで、それ以外(お茶大附、学芸大附属系3校、筑波大附属系2校)は、中学と高校は別で、中学から高校への内部進学率は学校により異なります(全員そのまま高校に進学できるのは筑駒くらい)。
厳密には「中高一貫」ではない。
筑附、お茶大附、学芸大附系は附属小があり(学芸大附国際には付属小はないが、学芸大附大泉小から進学するケースが多い)、小学校からの内部進学者がいます。
この点、附属小はなく、中学から高校にそのまま進学できる公立中高一貫とは違います。
ところが、2022年から立川国際中等教育学校に附属小が開設され、公立初の「小中高一貫校」が誕生しました。
小1から英語が教科として設定され、小学校課程での英語教育は、公立小の約4倍の時間数充てられるようです。
中学校段階からは第二外国語が選択必修となることも含め、一般的な公立中の約2倍の外国語の授業時間が設定。
国立中と都立中の違い
国立中は、国立大学に付属し、大学が新しい教育方法を研究する場。
大学の最新のノウハウや研究から生まれた教育により、座学の授業だけでなく、討論やフィールドワークをしたり、様々な校外学習プログラムがあり、生徒のまなびの意欲と自主性を引き出すことを目標としています。
これに対し、都立中高一貫校は、6年間の一貫教育により、将来のリーダーとなり得る人材の育成が共通目標。
「特色のある教育」が求められるため、私学に負けない独自教育の側面があり、英語教育に力を入れていたり、理系教育に力を入れていたりと、教育方針が学校により異なります。
勉強だけでなく部活動もしっかりやって、学園祭などの学校行事も盛んで、しかも生徒自ら運営もすることを通じてリーダーとなる人材を育成するイメージですが、これは国立中も同様な気がします。
入学試験は、国立中は「学力検査」ですが、公立中高一貫校では「学力」による選抜ができない建前のため、「適性検査」という名のテストが行われています。
適性検査は、作文、算数型、社会型、理科型で構成され、学校により、理系中心の独自問題(適性Ⅲ)が加わることがあります。
作文は、論説文や説明文、随筆、エッセーなどを読解、要約し、自分の考えをまとめまるパターンや、2つの文章を比較し、それについて自分の考えをまとめるパターンがあります。
算数型は、特殊算は出ませんが、試行錯誤の中で規則性を見つけたり、図形問題など自分の手や頭を動かすことで答えを見つけたりするものが出ます。
社会型なら歴史の年表や地図、写真、グラフなどの資料を見て、そこから何がいえるかを問うもの、理科型なら実験・観察の方法やその結果から分かること、環境問題に対する考察などが問われます。
これって、本質的に国立・私立の中学受験と変わらないような…。
知識ではなく思考力を問う、難関中の出題傾向と似ていると思います。
都立中高一貫校向けの十分な対策が必要で、それは難関中対策とも重なるところがあるので、私立との併願が増えていることはうなずけます。
忘れてはいけない点は、国立中と都立中の試験日は同じ(2/3)なので、併願できないこと。
また、小学校の「調査書」が入試で一定のウエイトを占めるという点は、国立中と都立中の共通点です。
評価の基準はあるのかないのかよくわかりません。
親からみて非常に気になる点ですが、急に対策できるものでもないので悩みます。

