ある中学受験塾の講師が語った、中学受験指導の原点となった体験について紹介したいと思います。
その方(Aさんとします)がかつて大手塾で講師をしていたときに出会った母親と子どもがいました。
子どもは鹿児島ラ・サールに入り、その後医者になったそうです。
母親の考え方と覚悟
子どもに中学受験をさせようと思ったのは、この子が生まれてきて良かったと思えるように育てたかったからです。
親の勝手で授かった命ですから、その子が産んでくれて有り難うと言ってくれるように育ってほしい。
そのためには公立の教育内容ではダメだと思った。
どうせ行かせるなら寮生活がある鹿児島ラ・サールに行かせようと思いました。
学童が終わって、息子が「お母さん、僕は明日からどうするの」と聞いてきたとき、「お母さんは明日から教育ママになるから」と言いました。
そのとき息子に大笑いされました。
翌日、大手塾の入室テストを受けに行ったのです。
中学受験の原点
このときその大手塾で講師をしていたAさんが出会ったのがこの母親とその息子さんだったという。
Aさんにとって、この母親の考え方と覚悟が中学受験の原点。
生まれてきて良かったと思える、つまり、一人前の人間に育てることが親の役目だと思い、ラ・サールに進学させた。
進学後、息子さんはそこでいろいろな友達や先輩に出会い、いいことも悪いことも体験する様子を見て、これが彼の青春だと思うと、母親はそれがうらやましくて仕方がなかったという。
Aさんにとって、もう一人忘れられない教え子がいる。
大手塾講師のときの教え子で、その校舎で1番の子だった。
開成に合格確実と言われた中で彼だけ不合格になり、海城に進学。
海城ではずっとトップ。
東大から大学院に進み、工学系の分野で研究生活を送っている。
絶対確実と言われた開成受験を失敗した彼だが、なによりも海城を愛し、学園祭の実行委員長までやり、充実した学校生活を送った。
第1志望に不合格になっても、それが人生を敗北に導くものではないことを示している。
中高の6年間は人生の中でもっとも重要な時期。
特に、そこで誰と出会ったかが人生に大きな影響を与える。
その6年間で出会えて良かったと言える大人がどれくらいいるかが学校の魅力の全てと言ってもよい。
母校を愛するというのは、学校が有名だから云々ではなくて、自分がその学校で過ごした時間が宝物だったから。
開成のどこが好きだと言われて、東大の合格者が多いからという卒業生はいない。
コメント
息子は現在、中高一貫校に通っています。
人生で最も多感な6年間、好きなことに打ち込み、充実した学校での日々を送って欲しいと思います。