郊外の小規模な中学受験塾の塾長の話を直接聞く機会がありました。
40年近く中学受験生の指導にあたり、塾生は1学年50人くらい、御三家合格者も毎年何人か出しています。
印象に残った点をまとめます。
・塾は先生で決まる。どこで切っても同じ、金太郎飴のような大手塾の先生か、顔が見える先生のどちらを選ぶかの選択。
・必ず子どもが体験授業を受け、保護者が説明会に参加して納得してもらった上で、入塾テストを受けてもらうようにしている。
・親が果たすべき1番の役割は、自分の子どもを「カッコ良い大人」に育てることにあるはず。なぜ、中学受験させるかといえば、それが目的。
・中学受験ほどいいものはない。それは「失敗してもいい」から。
・高校/大学受験は失敗すると行く学校がなくなるが、中学受験はそうではない。
・人生において、「あのことがあったから、今日の自分がある」と思えることは大抵が失敗した経験である。
・中学受験で失敗しても問題がないどころか、長い目で見れば大きなプラスとなり、その機会になる。
・考えるべきは、子どもに多感な中学・高校時代(青春時代)をどう過ごさせたいか、であって、有名校に行くことは一つの手段でしかない。
・どの学校を出たか、何の職業についているかで人の優劣を見るような子を育てたくない。
・合格すれば成功、不合格だったら失敗という考え方がそもそもおかしい。
・中学受験は志望校に受かれば幸せだが、落ちたっていい。落ちてもその子にとってすごい経験になる。
・極言すれば、合否は関係ない。合格至上主義とは真逆。
・その代わり、塾では徹底的に厳しくやる方針。生半可でない努力をしても結果が出ないことがある。世の中に出たらいずれそんな場面はいくらでもある。
・できるだけ苦労させた方がいい。苦労すれば苦労した人間の気持ちがわかるようになる。
・かつて教え子で断トツのナンバー1だった子が開成を落ちて海城に進んだ。その子は海城を卒業して東大に進んだが、彼は海城という学校をこよなく愛し、誇りにしている。
・それはなぜかといえば、学校自体の良さというよりも、彼がそこで充実した6年間を過ごしたからに違いない。
・自分を誇れるからこそ母校を愛することが出来るような子を育てたい。
・長年、受験する子どもたちを見てきて、4つのパターンに分かれる。
受験にある4つのパターン
・「受かるべくして受かる」
これは誰しもが望むパターンでみんなが幸せになる。
・「受かるべくして落ちる」
実はこれが一番成長する、愛すべきパターン。先の教え子の例にあるとおり。
頑張っても達成できないことがあると知り、しかし一方で頑張ることの尊さがわかり、重要なのは結果ではなくプロセスだと思える。
・「落ちるべくして落ちる」
このパターンも素晴らしいことがある。
なぜなら、塾に3年間通っていればなんとかなると思っている子どもが、落ちたときに初めて悟るからである。
ろくに勉強してこなかった子が落ちたときに涙を流す。
泣きながら一番最初に思うことは、
「ごめんなさい」
自分の親不孝を恥じるとともに、親に感謝する気持が生まれる。
かけがえのない経験であり、この経験があれば何も怖くない。
・「落ちるべくして受かる」
このパターンが一番まずい。
実力が伴っていないのに偶然受かってしまった後には、劣等感にさいなまれる地獄の6年間が待っている。安易に「なんとかなる」と思って結局なんともならない。
コメント
我が家も親子で3年間やってきましたが、最後はやり切った感がありました。
積み上がったプリントと問題集の山を見て、
「結果はどうあれ、ここまでできたこと自体が凄いこと」と思いました。
物事に失敗はなく、失敗から学ばないことこそ失敗だと思っているので、その点は激しく同意です。