「サピックスに通っていたって偏差値50程度じゃ」
「アルファにも入れないようだと」
SNSでは、こんなつぶやきがなされるという。
中学受験で「偏差値50」と聞いて、親が、
「なんでそんなに成績悪いの?」
「偏差値50の学校なんて…」
世の中の見方はそんなものかなと思います。
中学受験は、全国的には、東京や横浜など都市部の一部で盛り上がっているような、ニッチな競争です。
実態を知らない人が圧倒的多数。
多くの場合、経験したことがあるのは、公立中のほとんどの生徒が受験する高校受験の方で、そのイメージが強すぎると思います。
偏差値は、ある母集団における相対的な位置を数値化したもの。
母集団に依存するので、母集団が異なる場合、数値を比較することはできませんし、比較することに意味はありません。
本当は、高校受験でも、A県の偏差値とB県の偏差値は比較できません(母集団が違う)。
比較しても違和感がないように思えるのは、県単位でみた中学生の数は母集団としては十分に大きいため、正規分布(左右対称の鐘のような形)を仮定しても偏りが小さいからにすぎません。
中学受験は母集団が全く異なります。
首都圏の中学受験率は17%に過ぎませんし、全国的には、小学生の1割も受験しません。
私立中入試は、小学校で学んだことを確認するための試験ではなく、優秀な生徒を選抜するための試験で、中学・高校で学習する内容も形をかえて普通に出題されます。
つまり、小学校での勉強を完全に理解していたとしても、特別な対策なしに中学入試問題を解くことはできません。
中学受験は、やらなければいけないものではなく、完全な「オプション」。
首都圏の小学6年生約30万人に対し、そのうち中学受験するのが5万人とすると、その時点の中学受験組の学力は、小学生全体の上位約17%(首都圏中学受験率とほぼ同じ)になるはずです。
上位17%を偏差値に換算すると、およそ60以上に相当します。
中学受験に参戦している段階で、既に小学生の中では偏差値60以上。
中学受験組の中の平均、
「中学受験生全体の偏差値50」は、
小学生の上位8.5%。
偏差値に換算すると、63.7以上になります。
サピックスは上位層が厚いので、サピ偏差値50は、中学受験生全体の偏差値50よりも上位にあると想定されます。
サピ偏差値50が中学受験生全体でみたときにどこに位置するか直接推計するのは難しいので、中受模試の中で一番受験者が多い四谷大塚模試(合不合)の受験者が受験生全体の分布を表していると仮定します(少しざっくりですが)。
サピ偏差値50近辺の学校(2/1校)
男子校:本郷、逗子開成、巣鴨
女子校:頌栄女子、学習院女子、立教女学院
共学:中大横浜
サピックスの上位層の厚さを示しています。
これらの学校の四谷偏差値は、55~60の範囲。
低めに見積り、サピ偏50は中学受験生全体(5万人)の偏差値56とします。
偏差値56は上位27%ですので1.4万人、小6全体(30万人)の4.7%です。
これを偏差値に換算すると、概ね 67 になります。
サピ偏差値50は小学生全体でみれば 偏差値67 に相当するといえます。
1学年100人の学校なら、トップ5に入ります。
「サピックス偏差値50」と聞いて、「結構高い」という感覚を持つ人は、中学受験のことをよく知っている人です。
PS
中学受験の3年間の激闘を資料にまとめました。
息子の中学受験に伴走した3年間に考えたこと、実践したことを、率直に、ありのままに、具体的に書きました。
参考になりましたら幸いです。
