当ブログのテーマは中学受験ですが、中高一貫校に入って終わりではなく、新たな道を歩み始めることになります。
前回、出身大学別の平均年収と大学入学時の偏差値を比較しました。
両者は多少の違いがありますが、共通点が非常に多くなっています。
子どもの教育を考える親の立場からすると、本人が将来何をやりたいかということがベースになりますが、ランキング上位の学校は、授業料が安い国公立が多く、卒業後の年収が高くなる傾向があるという事実は無視できません。
両ランキングともに首位だったのが、東大です。
中学受験のときにしばしば話題になるのが、中高一貫校の「東大合格実績」です。
東大合格実績が伸びた翌年は、その学校の志望者数や偏差値がUPしやすい、ということも言われています…。
学校によって人数が異なるので、合格実績をとらえる上では、「合格者数」ではなく、「合格率」で見たほうがよさそうです。
インターエデュ(教育ポータルサイト)のデータをベースに、東大現役合格率(2022年)上位20校をまとめました。
1 筑駒
2 開成
3 聖光
4 桜蔭
5 灘
6 栄光
7 久留米大附設
8 駒場東邦
9 日比谷
10 西大和
11 渋幕
12 渋渋
13 海城
14 横浜翠嵐
15 麻布
16 女子学院
17 都立小石川
18 ラサール
19 筑附
20 浅野
首位は筑駒で、東大合格者数は97人(浪人含む)、開成(193人)の半分程度ですが、筑駒は1学年約160人で、開成(約400人)よりもかなり少ないので、合格率でみると、筑駒の方が高くなります(筑駒の現役合格率は40%超え)。
開成、聖光、桜蔭、灘の現役合格率は軒並み30%前後と高くなっています。
上位20校をみると、ほとんどが中高一貫校だということがわかります。
首都圏の中高一貫校(国立や都立を含む)が実に14校を占めています。
学校の顔ぶれを見ると、中学受験の難関校と重なります。
これをみると、中学受験して難関中高一貫校に進学することが他のルートに比べて有利なように見えますが、留意すべき点もあります。
筑駒、開成、灘、渋幕などは高校からの入学組もいるからです。
中学受験組と高校入学組との間でどの程度合格率に差があるのかわかりません。
もし圧倒的に中学受験組が有利ならば、これらの学校で高校募集を続けていない気もします。
高校入学組が健闘しているのであれば、「中高6年間かけて大学受験に備えるカリキュラムがあるから」有利、ということは必ずしもないように思います。
都立の日比谷や県立の横浜翠嵐といった、公立校が上位に入っています。
東京は有名な私立校が多いので、そこに学力が高い生徒が集っている、のは事実ですが、「中学から一貫校に通うから」有利になる、のかどうかはわからない面があります。
開成でも、現役で東大に進むのは1/3なので、開成の中で上位に位置していなければなりません。
最難関校の中での競争という、別の次元の戦いになります。
中高6年間の学校カリキュラムが有効だとしたら、開成や桜蔭の東大現役合格率はもっと高くていいはずです。
中学受験でトップレベルの人たちなので…。
別に東大が全てではないので、医学部・医科大や海外大学に進むということもあるでしょう。
東大は東京にある大学で、東京を始め関東出身者の割合が高いという特徴があります。
2022年東大合格者の出身校所在地は、東京が35%を占め、東京以外の関東が26%で、合計約6割が関東です(近畿は13%)。
首都圏では中高一貫校の占める割合が他地域と比べて突出して高いので、中高一貫校出身者の割合が高くなるのは、ある意味で当然の結果だと思います。