関西受験界のカリスマ・吉田努氏が語る、受験校を見直す3回のタイミング、というコラムが朝日新聞の情報サイトAERA dotにありました。

 

吉田努氏は、関西の受験塾「馬渕教室」で灘中合格者を短期間で激増させ、かつての浜学園、希学園、日能研関西という“関西三強”に風穴を開け、馬渕を難関校合格実績「ナンバー2」に押し上げました。

 

2021年にベネッセグループに移籍し、首都圏中学受験統括として、ベネッセの中学受験塾「進学館ルータス」の立ち上げに関わりました。

 

AERA dotの記事から吉田氏の話を引用し、このことについて考えてみたいと思います。

 

  最初の見極め時期

 

(引用)

トップクラスの難関校を目指す場合は、5年生に向けた学習の土台ができる『4年生の夏』が最初の見極め時期です。早生まれ、遅生まれという生まれ月による学力差がなくなる時期なので、ここで勉強の成果が結果に表れず、周りと差が開いている場合は、ライバルたちと志望校を争えるか、いったん考える必要があります。

(以上)

 

⇒吉田氏が言っているのは、灘など「トップクラスの難関校」を目指す場合

 

以前ブログに書きましたが、新小4初めの時点で子どもが通った塾(サピ)の生徒の間にかなりの実力差があったことはテストのデータからも確認することができます。

 

 

吉田氏の見解は、このデータとも符号しています。

 

確かにここまでで差が開いていて、立ち位置を確認して、考える機会になります。

 

 

  2番目の見極め時期

 

(引用)

次のポイントは、4年の終わりから5年の頭にかけて。わが子は塾のスピードについていけるか、保護者もより厚いサポートができるか。ともに覚悟が必要になる時期です。また、通っている塾のシステムに今後も乗っていけるのか、という判断も必要になってきます。

(以上)

 

⇒塾のテストデータをみると、小4から小5にかけて実力差(標準偏差)が拡大していく時期にあたりました。

 

子どもの実力の差が拡大していくタイミングで、親のサポートが結果に結びついているかどうか、このままついていけそうかどうか、だいたい見えてきます。

 

我が家では、この時期、塾のプリントで家庭学習をやっていました…。

 

親はせっせと塾のプリントのまとめ資料などを作成していたのを思い出します。

 

小4の時期は、時間的にもかなり余裕があり、本格的な受験という感じはしませんが、この最初の1年で自分のペースをつくれるかどうか。

 

このペースについていけそうかどうか。

 

ここは大きなポイントであることは間違いないです。

 

  天王山は小5の夏

 

(引用)

中学受験の天王山は、ずばり5年生の夏です。塾のカリキュラムでは、新5年生(4年生の2月)から必要とされる勉強量が圧倒的に増えます。それゆえ、5年生の夏を乗り越えられるかが大きなターニングポイントになります。

ここがまさに踏ん張りどころで、この夏さえ乗り越えれば大丈夫と言えます。志望校が見えていて、子どものやる気が続いていれば、あとは本番まで突き進むのみです

(以上)

 

⇒息子の塾では、小4の週2日から小5になると3日に増えました。

 

授業時間だけみると単純に1.5倍ですが、内容が濃くなるので、感覚的には、小5は小4と比べて一気に1.7倍くらいの量になるイメージでした。

 

塾のテストデータでは、小5の夏から秋が、最も実力差(標準偏差)が拡大した時期でした。

 

受験生の伴走者からすると、「小5の夏さえ乗り越えれば大丈夫」という感覚は全くありませんでした。

 

小5の夏を過ぎても楽になった感じはしませんでした。

 

ヤマ場感はナシ。

 

小6の夏くらいまでずっと加速し続けました。

 

  中学受験の天王山は小6の夏ではないの?

 

受験年となる6年生は、新しい知識を入れるより、ひたすらアウトプットの時間となり、これまで学んだことをどう生かすか、過去問と向き合って弱点を見つけながら、本番に備えていくことになります。

 

つまり、5年生までに、保護者は子どもの様子をよく見ながら、過去問に取り組むべき志望校を見極める必要があるというのが吉田氏の見解のようです。

 

塾のテストデータでは、小6以降は、実力差(標準偏差)が縮小していきました。

 

小5から小6にかけては、塾生が減り、ある程度絞られた中での競争の状況だったと思います。

 

小6になると皆一斉にスパートを掛けるため差は付きにくくなります(逆にここで離されないようにしないといけません)。

 

この時期は努力に比してなかなか偏差値は上がりませんでした(逆に、少し調子を崩したら大きく下がりました)。

 

そうなると、小5までにできた差が大きく効いてくるということかもしれません。

 

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