(868回)


(血液学第8回)
赤血球の大きさ
数については
分かりましたか

それでは
今日は
赤血球の容積について
話します

赤血球は
直径が約7〜8μm
厚さが2μm
でしたね

さて
赤血球の数は
1mm立方
すなわち1μℓ中に
約500万個です

そこで今日は
赤血球一個の容積
について
考えてみましょう

血液を一定量
細長いガラス管に
入れて

片方を閉じて
遠心します

すると
比重の重い
赤血球が一番底に

その上に
白血球

その上に
血小板

そして液体の
血漿となります


ここで
ガラス管の底から
血漿の表面までを
100として

赤血球の占める
割合を求めます

これを
ヘマトクリットと
言い

血液中に
赤血球の占める
容積となります

このヘマトクリットは
男女では
少し差がありますが

今日は
たまたま45%
だったとしましょう

血液1μℓ中に
占める赤血球の容積が
45%ということになります

すなわち
0.45μℓが
赤血球の占める
全容積ですね

赤血球の数を
思い出してみましょう

男性では
約500万個/μℓ
でしたね

となると
赤血球500万個の
全容積が
0.45μℓなので

一個の
赤血球容積を
求めるには

0.45μℓを
500万個で
割ると

赤血球一個の容積
が出てきます

実際に割り算
しますと

0.45× μ × ℓ ÷ 5000000
= 0.45 × 0.000001 × ℓ
÷ 5000000  =

ちょっと
面倒くさいですが
頑張りましょう

答えは
90 × 0.000000000000001
× ℓ =

すなわち
10のマイナス15乗
とは

接頭語では( f )
フェムト
で表します

よって
90 f ℓです

赤血球一個の容積
いかに小さいか
分かりましたか

山陽女子短期大学
臨床検査学科
谷口薫