(697回)

ミトコンドリア2
仁助先生:赤血球の赤ちゃん
赤芽球について
話したが
分かったかのう
 
與吉  :赤芽球は
顕微鏡で分かる
最初の赤ちゃんが
 
前赤芽球ですね
前赤芽球2
そして
ヘモグロビンを作り始める
細胞が
好塩基性赤芽球ですね
まだまだRNAが多いんですね
 
赤芽球の細胞質内に
RNAとヘモグロビンが
同じくらいになった状態が
 
ライト・ギムザ染色をしたとき
灰色に染まるんですね
 
そしていよいよ
ヘモグロビンでいっぱいになった
赤芽球が
赤血球の色と同じ
正染性赤芽球というんですね
正染性赤芽球2
仁助先生:おお
よく理解したのう
 
ほいじゃあ
ヘモグロビンが作られる
過程を説明してみるど
 
先ずヘモグロビンの
基になる
ヘムじゃが
 
これは赤芽球の
細胞質にある
ミトコンドリアの中で
作られるんじゃ
 
ミトコンドリアの中で
ちょっと難しい言葉が出てくるけど
あまり気にしんさんな
 
聞き流しんさい
ミトコンドリア2
先ずは
グリシンと
サクシニルCoA
とが反応し
 
そこに
δアミノレブリン酸合成酵素
とピリドキシンが
加わり
 
δアミノレブリン酸になるんじゃ
 
このできあがった
δーALAは
ミトコンドリアから
いったん細胞質に出ていき
 
そこで
ポルフォビリノゲン
次に
ウロポルフィリノゲンそして
コプロポルフィリノゲンとなり
 
再びミトコンドリア内に
入り
プロトポルフィリンとなるのじゃ
 
このプロトポルフィリンに
2価の鉄が
ヘム合成酵素によって
くっつき
 
ヘムになるんじゃ
 
そして
このヘムが
細胞質に出ていき
グロビンと結合して
ヘモグロビンになるんじゃ
 
どうじゃ
分かったか
 
與吉  :はっはい
 
仁助先生:まあ
あんまりわからんかったじゃろうが
まあええわ
そのうち分かるようになるでの
 
ここで今日の
ポイントじゃ
 
何で赤血球が
赤いんか
 
そこじゃ
ヘモグロビンが赤くなるからじゃ
 
というのは
さっき言うたじゃろうが
ヘムは鉄が含まれとるんじゃ
ヘモグロビン
その鉄に
酸素がくっつくと
真っ赤になるんじゃ
 
錆びたと思いんさい
鉄が錆びたと
 
與吉  :はい
鉄が入っとるけえ
赤いんですね
 
仁助先生:そうよ
鉄がヘムに含まれとるけえ
ヘモグロビンが赤くなるんじゃ
 
與吉  :ほいなら
赤くない血もあるん?
 
仁助先生:そうよ
あるんじゃ
それはまた明日じゃ
 
山陽女子短期大学
臨床検査学科
谷口 薫