「テツ and トモ」が大好きな
なんでだろう?じいさん
が話す
血液の話


第76話

薫祖父さんじいさんの名前:谷口薫

なんで?そうなるの?
   少女:ソラちゃん(小学4年生)

じいさん:
 今日はな
 血が止まる仕組みの
 さいごの話じゃ

ソラちゃん:
 わたしは
 おじいちゃんが

 与吉兄さんに話していたのを
 ずっと聞いていたので

 なんとなく
 血液のことが好きになったみたい

 こんどは
 わたしにも教えてください

じいさん:
 いいよ いいよ

 ソラちゃんにも
 分かるように教えてやるぞ

 で 今日はな
 血液の話の最後の日なんじゃが
 
 ちょっとだけ難しいかもしれんぞ

ソラちゃん;
 だいじょうぶよ

じいさん:
 そうか
 じゃあ話そうな

 血管が何かのけがで
 やぶれたり
 きずついたら

 血管をまずは
 なおすことが一番なんじゃ
 
 そこで
 最初に働き出すのが
 血小板(けっしょうばん)じゃ

Ly

ピンクに見える赤血球
大きな細胞の白血球
よりも

もっともっと小さいのが
血小板じゃ

たてとよこの大きさが
だいたい2~4μmじゃ

μmは分かるかの?

μ(マイクロ)とは
1mの百万分のⅠじゃ

またくわしくおしえてあげるでな


さてこの血小板が
最初にきず口に集まってきて

さっとかんたんになおすんじゃ
かんぺきではないぞ


次に血液の中に
溶(と)けておる

いろいろな凝固因子
(血を固まらせるもとになるもの)が

連鎖的に(次から次へとじゅんに)
働き始めて

しっかりとしたきず口をなおす
フィブリンという
繊維素の固まりをつくるんじゃ

きず口の上をふさいでいる間に

きず口の組織(血管の内側)が
治ってくるんじゃ

下から新しい細胞ができてくると

きず口をおおっていた
繊維素(フィブリン)
いらなくなるんじゃ


そこでじゃ
そのいらなくなった
繊維素の塊(かたまり)を
溶(と)かす必要が出てくるんじゃ

その溶かすことができるものを
プラスミンと言うたじゃろう

ソラちゃん:
 はい 覚えています

じいさん:
そうよ
ここまでが
今まで話してきたことじゃ

それじゃがな
このプラスミンがいっぱいできると

まだ修復(なおす)されていないまま
凝固が進まなくなるんじゃ

それで
血液の中ではな

α2プラスミンインヒビター
(α2-PI)

プラスミノゲンアクチベータインヒビター
(PAI)


などの
線溶を阻害(じゃまする)する

線溶阻害因子

働いて
線溶系を制御してるんじゃ


ソラちゃん:
 はい よくわかりました

 とうことは
 身体の中では
 凝固系(止血系)と
 線溶系(塊を溶かす)

 がバランスよくなっており
 いつまでも楽しく生きていけるんじゃ。


どうじゃ わかたかな?

 そうじゃ
 また明日から
 復習を兼ねて

 初めから説明していこう


 今日までの血液学は
 これで終わりじゃでな
 
 
 またまた初めから
 やるので頑張ろうな!

 
 みなさま
 最後までお付き合いいただき
 ありがとうございます。

 このシリーズは1年間ありますので
 最終的には
 血液の病気まで
 お話していきますので
 またまた
 ご愛顧のほど
 よろしくお願いいたします。

 山陽女子短期大学
 臨床検査学科

 谷口 薫