山陽女子短期大学
 臨床検査学科

臨床検査技師を目指す
高校生のための
谷口薫のブログ

凍る蛇の池

No.72
仁助顔2今日はいよいよ

極楽寺の「蛇の池」についた

話じゃ

与吉顔はい!

仁助顔2兵之助は先を見ていた

登り詰めたところが平坦に見えた。

「あそこが蛇の池じゃ」

二人は咄嗟に走り出した。

蛇の池

やっと着いた。

「わあ 広いのう」與吉が声を上げた。

「ありゃ何じゃ?」と兵之助が

不思議そうな声を出した。


「もしかしたら


こりゃあ 池が凍っとるんじゃ」


「篠尾山の梅も咲いとるし、

桜の蕾も大きくなっとるのに

この山の上の極楽寺は


まだまだ寒いんじゃ」


兵之助は思った。


冬に家の周りは


雪が積もってなくても


極楽寺山の上の方は


真っ白になっとることがある。


しかし


太陽が出とったら熱いということは


太陽に近づくほど


熱くなるはずじゃのに


高いところに上がるほど


寒いのは


なんでじゃ?


兵之助の探究心が湧きあがってきた。


「びっくりしたのう」


與吉が言う。


「與吉 氷の上に上がれんのかのう」


「でも 蛇がおるんじゃろう?」


「今は寒いけえ


大蛇も氷の下で寝とるんじゃろ」


「兵之助 氷が割れたら


出てくるんじゃないかのう」


兵之助は


木の枝をつかんだまま


氷の上に片足を載せてみた。


何ともない。


今度は


岸についている足を上げてみた。


びりっとも音はしない。


今度は與吉が


大きな木の枝に


ぶら下がるような格好で


氷の上に足を置き


片足で


どんどんと


氷をけってみた。


びくともしない。


「こりゃあ 氷の上に乗れるど」


兵之助が叫んだ。


兵之助は長い枝先をつかんで


池の真ん中に向かって歩き出した。


つるつるとすべるので


恐る恐る歩いた。


もう氷が割れるとは思わなかった。


二人は


不器用に氷の上を


歩き回った。


草鞋が濡れてきて


足の指先が冷たくなってきた。



続きは

またじゃ


今日は

ここまでじゃ

・・・・・・・・・・・・・
元気の出る
 やる気の出る
楽しい大学


臨床検査技師を目指すなら

広島県
山陽女子短期大学 臨床検査学科