(1002回)





(広島湾 似島)安芸の小富士



兵之助
東の海を眺めていた


ここ篠尾山(ささおやま)

から見る眺めは

兵之助の胸を

いつもわくわくさせたのじゃ


正面には

まだ見たことのない

富士山に似た

似島

どっしりと腰を下ろしている


水主の平次さんは

似島のことを

安芸の小富士という

似島



富士山は、

そりゃあ

日本一美しい山

だと思います」

と言っていた


「兵之助さんも

出世されたら

きっと

富士山

見れますよ」



海を眺めては

言ってくれていた


南の方角に

宮島の弥山を望み


東の方角には

広島の白紙の岩礁

見えるはずである

白紙

(現 白神神社にある岩礁)


兵之助の登っている

篠尾山は



兵之助の住んでおった

津和野藩御船屋敷の

道を挟んだ


西側にこんもりとある

小山で


社殿が鎮座されてあった


話は古く

鎌倉時代承久2年(1220年)

藤原親実(ちかざね)が


厳島神社の神主として

任命され


すぐ傍の

桜尾城に着任され


天福元年(1233年)

守護神として


鎌倉の

菅原道真を祭った

荏柄天神(えがらてんじん)

を勧請(かんじょう)して

この篠尾山に社殿を

造り鎮座された

天満宮





兵之助は
子供のときから
じっくりと動かぬ物を
眺めたり

何事にも落ち着いた
行動が

兵之助が
将来
幕府の天文方
仕える気質を

既に子供の頃から
育っていた



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