『ゼロ・ダーク・サーティ』
今日・・・ではなく昨日になりましたが(^_^;)
天神で用事をこなしたついでにTOHOシネマズで映画をみてきました。
用事を済ませた時点で結構疲れてたんですが、
レディースデイは1000円ということでがんばって眠い目をこすってました。
この記事はほとんど私の映画感想の覚書です。
ここから先はネタバレを含むことになるので、
これからこの映画をみようと思ってる人は読まないことをオススメします。
〇映画について
もう見てる人もいると思いますが、2011年に発表されたビンラディンの殺害への過程を、実話に基づいて構成されたストーリーです。
私はこの映画の監督へのインタビューをテレビで偶然見ましたが、ビンラディンを追い詰めたのがひとりの女性捜査官だったことは、事実だそうです。
彼女は既に別の任務に就いているとか。
〇映画として
作品としてはあんまりよくなかったんじゃないかと思います。
ドキュメンタリーのような形で作られていたのでしょうがないのですが、工夫しているところとかは見られませんでした。
ただ、政治色を排除しているところは良いと思いました。
まあビンラディン殺害っていう行為自体が政治の一環みたいなものですけど。
〇ビンラディンについて
むかし興味を持ったときにウィキペディアで調べたことがあるのですが、ビンラディンってかなりいいとこのお坊ちゃんだったんです。
知能が高くて、とても賢いエリートでした。
普通なら一人の金持ちとして終わるはずだった人生。
それがどこで狂ったか9.11を起こすようなテロリストになって、最終的には一人の女性に殺された。
私は妄信できる人の心理ってわからないので、なんともいえませんが、
他人の人生を壊すことに躊躇いはなかったんだろうか、って、ずっと不思議に思っています。
〇殺すまでについて
きっかけを掴んだのは確かに主人公・マヤでしたが、やっぱりチームの力、そして何より、国全体でビンラディンを殺すまでに至ったんだと思いました。
でもドラマのように人物たちはチャンスが来てもやる気があったりするわけではなく、みんな疲れ切った表情をしていました。
動かない表情で演技していました。
最初はおかしいんじゃないかと感じましたが、これがリアルだったのかもしれないと思います。
〇主人公・マヤについて
最初は尋問から目を必ず逸らしていたのに、だんだんと感化されていって、平気になっていくさまが可哀想で、また彼女も自身を悲しんでいるように見えました。
途中から、このひとはもう、泣いてしまいたいんじゃないかというように見えて、
そしてそれはたぶん当たりでした。
私はビンラディン殺害が報じられた当時、人の死を喜ぶというのは、かなしいことだと思いました。
また、人に喜ばれる死というのも、かなしくはないのだろうかとも思いました。
けれどこの映画をみて、3000人の命をたったひとりで贖えるのか、と、ビンラディンに同情できない考えが浮かんできました。
ビンラディンの子どもたちや妻は、「よくも!」とか言って、アメリカ兵を睨み付けていましたが、
あの人たちは9.11の被害者遺族からの非難と視線を受け止められるのかと言いたくなりました。
きっとビンラディンを殺したのは、亡者たちだと私は思います。
実際に殺したのはシールズたちですが、そのシールズたちだって、9.11で殺された人や遺族たちがいなければ、引き金を引かなかったと思います。
また、手がかりをつかんだマヤも、その他のCIAの人々も、疲れ切っていても諦めず探し続けるのには、かなりの精神力が必要だったと思います。
それでも諦めなかったのは、単に仕事だからというのではなく、殺されていった人たちの無念をおもったからではないでしょうか。
○マヤの涙について
最後の涙について
同僚の仇をとったから、
これからどうしようか途方にくれているから、
任務とは言え人を殺してしまったから、
など様々な解釈がされています。
これは、人それぞれに解釈していいことだと思います。
私はマヤの涙の理由は、ビンラディンをある意味愛していたからだと思います。
愛情と憎しみは紙一重の差です。
任務からだとはいえ、365日不休で、人生のほとんどをかけて彼を追っているマヤは、一度も会ったことのないビンラディンに、いっそ愛といってもいいほどの執着を抱いていたような気がします。
けれどきっとその気持ちは純粋な愛ではなく、ストックホルム症候群のように、歪んだ感情なのでしょう。
そんなふうに、彼に対して嫌悪ではなく、協調することもできるようになることが、ビンラディンの居所を突き止めるためには必要だったのではないかと思います。
そしてそれは柔軟な女性であるからこそできて、成し遂げてしまったことなのではないだろうか、とも。
なんにしろ主演のジェシカ・チャステインの演技はとっても良かったです。
心に残る、とまではいかないけれど、確かに記憶に残る映画でした。
