王妃つきの女官 「例のお客様御みえになりました。」
王妃 「おとうしせよ」
「失礼致します」
「 …… 」
王妃 「よく来てくれました。」
王妃 「わざわざ…… 官服に着替えていただいて申し訳ないですね。仕事着でよかったですのに。」
忠最高尚宮 「いえ」
忠 「…… どうか なさいましたか……。」
王妃 「 ………… 」
王妃 「忠どの 日頃よりそなたの功労大変頼もしくうれしくおもっています。」
王妃 「今まで……絶えず勢力争いが生じていた厨房だが、そなたが 最高責任者になってからは 一枚岩であると聞いている。」
王妃 「そなたにはこれからも今以上の 厨房運営を期待している……。」
王妃 「…… 忠どの…… そんな忠殿の手をわずらわせている者がおるとか……。」
忠 「 …………え ?」
忠 「何の事でございましょうか……?」
王妃 「……んふふふ 忠どの……、このところ何かとそなたに迷惑をかけている職員がおるそうじゃな……。」
王妃 「失敗ばかりし、皆に負担をしいているとか……。厨房全体の士気にも支障が出るだろう…… 。」
王妃 「………… そのような者、クビにしてはいかがか?」
忠 「誰の事をおっしゃって…………? …… ピ ケホヨンの事でございますか。」
王妃 「そなたから言いにくいなら わたくしより 指示を出すぞ…… 」 ← ニヤリ
王妃 「役にたたんものは、クビにしたらよい。……そうであろう…… ?」
忠 「たしかに……才はございません。」
忠 「 ………… 」
忠 「しかし、何事にも真剣に取り組み 厨房(スラッカン)にとっては 必要な者となっております。」
王妃 「……し、しかし」
忠 「このまま働かせてあげてください。」 ← キッパリ
王妃 「 ………… 」
…… …… …… …… …… …… …… …… …… ……
かえりみち にて
忠 「………… 王妃樣の あの表情……。」
忠 「 ………… ‼ 」
忠 「……もしや王妃樣は ケホヨンを!?」
第九話に つづく ……