【サイドストーリー】(改稿版)クリスマスの夜に...(1) | 流浪の漫画家たむら純子の屋根うら王国ちっちゃい村

流浪の漫画家たむら純子の屋根うら王国ちっちゃい村

〜仕事・趣味・同人な徒然〜
めちゃコミック・コミックシーモア・Renta!・dブック・BookLive
・まんが王国・honto・ブックパス・amebaマンガ・ebookjapan
・LINEマンガ・ピッコマ・comico他、コミック多数配信中

クリスマス。

 

今日は特別なクリスマス。

 

将輝さんと二人だけの

 

はじめての……。

 

 

 

 

 

去年はまだこの家を

出ていこうかどうしようかで

頭の中はいっぱいだった。

 

 

将輝さんのことも

好きなのかどうか

自分でもよくわからなくて

 

でも

 

 

 

「妹」

 

 

 

にはなりたくなくて…。

 

 

 

はっきりしない気持ちなのに

夢の中では将輝さんと

クリスマスデートしていたりして…。

 

 

 

クリスマスツリーが倒れてきて

目が醒めたんだっけ…

 

 

 

 

 雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶

 

 

 

 

クリスマスの少し前のこと。

 

 

 

おじ様が外国から大きなツリーを送ってきた。

部屋の中に入れるのも大変なので

玄関横にドーンと飾られている。

 

 

 

クリスマスツリーを見ると

どこかワクワクする自分がいて。

 

母さんとふたり。

小さいツリーを飾って小さいケーキを食べて。

サンタさんからのプレゼントはきっちり届いてた。

クリスマス。楽しい思い出がいっぱい。

 

 

 

大きくなってからは

すっかりそういうイベントもなくなってた。

 

 

彼氏なんてずっといなかったから

友達とごはんしたり。

 

そんな感じ。

 

 

 

 

将輝さんと家族になって

恋人になって。

 

 

今年はこの家で大河くんも一緒に3人で

ケーキを食べてクリスマスを演出してみたいなぁ

なんてずっと考えていた。

 

 

 

だけど少し前

 

「24日は開けておけよ」

 

将輝さんがそう言ってくれた。

 

あの時は二人だけのクリスマスになるの?

初めての?

 

ってちょっとドキドキしてたんだけど。

 

 

だけど・・・

クリスマスイブの24日は

月曜日だし・・・

大河くんはいるはずだし・・・

大河くんも一緒のクリスマス?

 

こんなイイベントひとりぼっちになんて

将輝さんがさせるはずないよね。

 

きっとふたりじゃなくて

3人のクリスマスになるんだよね?

私が最初に想像してたような。

 

 

でも。それでもいいや。

夜ちょっとだけ外に出ようって

誘ってみよう。

 

 

 

大河くんと将輝さんと私。

3人のクリスマスパーティ。

 

 

 

 

 

 

 

ところが。

 

 

 

 

大河くんは気を利かせてか

友達の家に泊まるといいだした。

学校の帰り

そのまま友達のところへ行って泊るって。

 

 

友だしとクリパするんだって。

 

 

受験生だけど今日だけは

息抜きだからって言ってたけど

本当は係長のこと

気にかけてのことだと思う。

 

友達と遊ぶなら

前日がお休みだから

そこにすればいいんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

日曜日。23日。

 

 

クリスマスイブは月曜日。

 

 

明日は24日。

 

 

 

せっかくの日曜日なのに

将輝さんは仕事の準備があるとかで

朝から部屋にこもっていた。

 

 

明日の夜…。どうするんだろう。

 

明日早く帰るためにとか言って

家でもできる仕事を持って帰っていた。

明日の準備とか

一緒にしたかったんだけどな。

 

 

 

寂しいけど邪魔するのは

私のポリシーに反することなので

ここはグーっと我慢なのだった。

 

 

我慢すれば

明日はクリスマスイブ!

 

 

 

 

 

雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶

 

 

 

 

24日。

クリスマスイブ。

 

 

 

会社では大切な人がいる人たちは

みんな楽しそうに残業もせずに帰っていった。

相手のいない人たちは友達と約束したり

お一人様を貫いたり。

人それぞれのクリスマスの夜を過ごすみたい。

 

 

 

私も今日は絶対に

残業しないって決めていて

ちゃんと定時に帰宅した。

 

 
 
 

最初の予定が変わって

大河くんのいないクリスマス。

 

 

 

 

家に帰ると誰もいない。

 

 

 

大きなツリーが

 

「おかえり。メリークリスマス」

 

って、話しかけているようだった。

 

 

 

二人きり。

なんだかドキドキする。

 

 

 

将輝さんはケーキを買って帰ってくるって。

そんなに遅くはならないはず。

 

今日開けておけって言ったのは

将輝さんの方だし。

 

 

 

二人きり。

 

 

こうなるとちょっとしたサプライズくらい

してもいいかなって気になってくる。

 

 

会社の帰り寄り道して

思い切ってある物を買ってみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恥ずかしいけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2へつづくクリスマスベル