上野三碑
・現存する古碑（7-11世紀）18例のうち高崎市内の三碑。最古級のもの。
・山上碑（681年）、多胡碑（711年）、金井沢碑（726年）の総称
・国の特別史跡、ユネスコ「世界の記録」の登録

山ノ上碑

（特徴）

日本国内で完全な形で残るものとしては最古の石碑
（沿革）

681年2月29日の建立（碑文より）　
　　江戸時代（寛政期）　松平定信「集古十種」に「山名村観音堂碑」とし記録
　　1884年　群馬県による保護開始（現在地で位置を固定）
　　1921年　「山上碑及び古墳」が国の史跡に指定

　　1954年国の特別史跡に指定

（場所）

高崎市山名町字山神谷2104

鏑川の北の観音山丘陵地の東端。

　　山名駅近くの神社は「山名八幡社」。この神社から西に向かう道が古道（鎌倉街

　　道）であり、山上碑の手前の三差路を経て南下し西山名駅に至る。

明治40年測量図：現在と変わっていない様子

古道（鎌倉街道）の三差路

・（正面）山名八幡神社からの道、（右）鏑川低地に至る道、（手前）山上碑方向

・このあたりは重要な通路であったため集落が栄えたという

山ノ上字ぞ尊

印象的な石仏地蔵尊

山ノ上碑に向かう道と集落（手前は無料バス停留所と第二駐車場）

・この先に一番近い駐車場があるが、ここに駐車して散歩した

来迎阿弥陀画像板碑（市指定史跡、鎌倉時代中期建治四年 1278年）

・鎌倉時代のもの！

（右）板碑の祠（施錠されていて本物は見られない）　

二十二夜待供養塔（如意輪観音石像）

・旧暦22日の月待の記念として、二十二夜講中によって造立された塔

・群馬や埼玉でよく見られるタイプ。明和六年建立（1769年）

このあたり土砂災害が危険な地区、山上碑に至る等高線が・・・・。

直登の階段

史蹟指定のときの石碑（1921年）

「内務省」！

奥が山ノ上碑の覆屋、手前が古墳

・古墳が先行して造られ、のちに山ノ上碑が建立された。なお、山ノ上碑が最初から

　ここにあったのかははっきりせず、階段下あたりにあったとの説もある。

山ノ上碑（概要）

・完全な形で残る日本最古の石碑。天武天皇の時代（681年）に造立された。

・内容は、佐野屯倉（朝廷の直轄地の経済・軍事拠点）を管理していた豪族の出身で

　ある黒亮刀自（くろめのとじ）と、その子である長利（ちょうり）の系譜を述べた

　もの。長利が刻ませたもの。

・長利は、放光寺の僧侶。放光寺は、前橋市総社町の山王廃寺（当時の東国で最古・

　最大級の寺院であった）。

ガラス越しに撮影

・高さ111cm、幅47cm、厚さ52cm、輝石安山岩、縦4行53文字

山上古墳（特別史跡）

・形状は円墳。直径15m、高さ5m。古くから開口しており副葬品は見つからず。

・石室内には馬頭観音が祀られていた（鎌倉時代）
・築造時期は、古墳時代終末期（7世紀中葉）と推定。

・山名地域の首長墓として築造されたのち、黒売刀自の追葬に際する供養としての建

　碑として理解されるている。

石室内に入れるが、カマドウマが繁殖しているらしい。

下りの階段

上毛三碑（３）山ノ上碑及び古墳