上野三碑

・我が国に現存する古碑（7-11世紀）18例のうち高崎市内の三碑。

・山上碑（681年）、多胡碑（711年）、金井沢碑（726年）の総称

・国の特別史跡、ユネスコ「世界の記録」

・三碑を巡る無料バスが毎日運航されている（１時間置き程度）。駐車場完備。

・「上毛野」（かみつけぬ）→「上野」（こうずけ）→群馬県のこと。

多胡碑

（沿革）

　　711年多胡郡の建郡を記念して和銅4年ごろに建碑された

9世紀後半～多胡碑の記録がみられなくなる（郡衙の衰退、律令制の崩壊）

　　1509年連歌師の宗長「東路の津登」に「上野国多胡郡弁官符碑」として登場　　　

　　1720年伊藤東涯『盍簪録』は碑の図を掲載、地元呼称「羊太夫之社」を記録

　　地元の話では、榎の下に建取れていた、土中から掘り起こしたとも

　　1786年奈佐勝皐『山吹日記』には拝殿が設けられているとの記述

　　1876年群馬県令の要請により多胡碑周辺土地を政府が買い上げ
　　1921年山上碑、金井沢碑とともに史跡指定
1945年進駐軍の接収を避けるため、文部省指令により吉井町が畑地に埋設

（立地）
　　高崎市吉井町池字御門1095

多胡碑は鏑川（利根川支流）の南岸の河岸段丘上（２段のうち低い方）に立地

明治40年測量図：現在と地形はあまり変わっていない

鏑川の河川敷の駐車場より北を望む

多胡碑へはこのセメント工場の横を抜けていく

併設の多胡碑記念館

・鏑川の河岸段丘であることがわかる坂

多胡碑の覆屋

多胡碑の概要

・朝廷からの命令で、上野国の片岡郡・緑野郡・甘楽郡から300戸を分離して新たな

　多胡郡を設置したことを祈念した健郡碑。

（材質）牛伏砂岩（近くに牛伏山がある）

　　　　・砂岩→海底に堆積＋隆起、他の２碑は安山岩（深部火成岩）

（全高）152.5cm (碑身)高さ129cm、幅69cm 、厚さ62cm

（碑文）前面に6行80文字を丸彫りで刻む

　　・上野国の片岡郡、緑野郡、甘良郡の三郡から300戸を分けて多胡郡を新設した

　　　との内容で「続日本紀」和銅4年（711年）3月辛亥（6日）条と一致。

　　・「右大臣正二位藤原尊」は「藤原不比等」である。

　　・「羊」が何かは論争あり。郡司（村長）に起用した人名説が主流だが、方位

　　　説、略字説、誤時説も唱えられている。

ガラス越しで撮影（本物）

・11月3日は直接見学できるらしい

多胡碑記念館（併設）

多胡碑のレプリカ

・ブログ用となると、これしか撮影できない。

公園内にある古墳（横穴式の円墳、牛臥砂岩、７世紀）

上野三碑（１） 多胡碑

上野三碑（１）多胡碑