新川天神社（三鷹市新川2-1-21）

（主祭神）

菅原道真公

（社格等）

　旧村社（旧野川村の鎮守社）

（沿革等）

寛永16年（1640）、新川新田を野川村として上仙川村から分村するにあたり、現在の天神山城跡にあった天神社を現在地に遷座させ野川村の鎮守とした。威徳院（当社の北側に現存）が別当寺。なお、上仙川村の鎮守は勝淵神社である。

　旧「野川村」は、現在の三鷹市新川（宿）地区の旧地名。元々は南の上仙川村の
秣場（「まぐさば」、村落の共同の草刈り場）であったが、17世紀中ごろに上仙川村を支配していた柴田家が開拓（新川新田）。明暦の大火後の移住、高麗氏の移住もあったという説もある。なお、野川村開村時期は1690年頃とするものもある。

（立地等）
　江戸道（人見街道）沿いに集積した新川宿内に鎮座。現在は東八道路の南側に接する。元々は、南北に縦長の境内を威徳院と共有していたが、神仏分離により、南北に境内を分けた結果、細い北参道で人見街道と接するようになったのではなかろうか。

(明治39年測量図）

鳥居

・本殿と同じ東向きにある。この前面道路を南に辿ると、天神山城跡（旧社地）。

本殿

・平成の大改築で一新している。

平成の大改築

・この碑文の左側に奉加名が並んでいるが、氏子の代表３名は、高麗さん、須藤さ

　ん、高橋さん。全体では高麗姓は過半を占める。

・「高麗」氏は7世紀後半に高句麗滅亡を前後して渡来した王族を含む人々の末裔と言

　われる。埼玉県日高市の高麗神社周辺を朝廷より与えられた他、当時の武蔵国全般

　に移住。「狛江」はこの系譜であり、狛江は調布や三鷹も含む。

御神木

鳥居（東八道路沿い・北向き）

細長い参道

石造庚申供養塔（三鷹市指定文化財）

・北参道の鳥居脇にある

旧社地「天神山城跡」

・戦国時代の城（砦）跡であるが、詳細は不明なまま。

・「島屋敷の東なり。天満天神の社ありしが、いまは野川村へ移せり。その旧跡な

　り。古えは梅の大木ありしが、いまは枯れて朽根ばかり残れり」（武蔵名勝図会）

仙川からの天神山（城郭の自然の堀として利用されたとも）

三鷹市の鎮守社巡り⑦ 新川天神社