適正な為替レートなるものは存在しない。理論がないのだから。「日米金利差」論は、もし為替レートが運用期間中一定であるならば、金利の高い通貨に人気が出るという当然の理屈であるが、前提に本質的なリスクが残る。

そもそも、現状の円安は、ドル独歩高なのか、円の独歩安なのかははっきりしておかないといけない。

2001年5月以降の各月平均の対円為替レートを示す。

・現状は、①円独歩安である、②特に米ドルに対して円安である、と言える。

金利差だけいうなら、人民元も韓国ウォンも対ドル金利差は大きいし、何なら人民元は長期金利は低下している。

財政赤字を放置し、さらに与野党・マスコミともにバラマキしか言わず、財源は増税には反対し、日銀引き受けの国債増発で対処する国の通貨に一体どうすれば信認が受けられるかという問題だと思う。

なお、国債は政府の債務であり、国民の債務ではないから、財務省のキャンペーンは悪意があるという主張があるが、政府は破産しないので、結局は、国民が税金か、あるいは国債や通貨の紙くず化で払わされることになる（戦後の戦時国債）。

格付会社などは、国債とは「国の徴税権」を担保とした債券だとみている。

なので、普通の国だと、キャピタルフライトが生じて、国内投資も不十分となり衰退と破綻の向かう。

政府関係者や中央銀行幹部など、どの程度の外貨資産をもっているか調べたらいい。海外に逃がしていたら笑う。むしろ、閣僚、政治家、主要な公務員は、就任の条件として１億円以上または資産の半分以上の国債をもたせて、10年間の売却を禁止したらいい。

円安の理由