最近、こういう感想文の書きかたというか、言語化というか、

そういった感じの本が多いですね。

私も何冊か買ったし。

 

それだけみんな、何かを言いたいんだろう。

そしてネットの普及もすごく大きいと思う。

 

感想などを述べるための場所は整った。

あとは自分がどう述べるか。

そこで多くの人は立ち止まってしまってしまう。

 

「すごくよかった」「つまんなかった」ぐらいの

感想しか出てこない。本当はもっときちんと具体的に言いたい。

でもうまく言えない。

 

そういうときに具体的な方法を教えてくれる本が必要になるのだ。

 

第2部「独自の感想の作り方」が実践編になるのですが、

いやあ、具体的で面白いわあ。

 

まずは他人の感想を検索しろ、ですからね。

 

レビューサイトが一番手っ取り早いけれど、これについては

「玉石混交のカジュアルで無責任で自由なコメントが一気に大量に読めます」

(P73)ときたもんだ。

 

カジュアルで自由はポジティブだが、

玉石混交と無責任は、なんつうか、それを言ってはおしまいですよ。

 

他にもYouTubeやPodcastなどの感想の倍速再生なども

おすすめしてました。

(これは、読むのと聞くのと、どちらが自分にあっているかの

問題でもありますね。私は聞くのはちょっと苦手。映像も苦手)

 

でも、こうやって多くの感想にあたることは論文などを書くときと

共通しているそうな。(P76)

ほほお。

 

「先行批評」「先行研究」を調べる、ということ。

確かにそうだなあ。

 

自分では、自分の感想が新しい独自のものだと思っていても、

そんなことは全くなく、すでに少なくない人が思っている場合が多い。

 

あと、誰かの感想に対し「ええ~、それは違うんでない?」

と思うこともある。

 

そうやって、自分の考えや立ち位置をはっきりさせていくのだろう。

 

新鮮だな、と思ったのはP159からの

「好きな作品の批判を探せ」というところ。

 

「的確に批判しているまとまった文章や言葉」

を探していくのだそう。

 

これは対話的、建設的な議論に慣れていくトレーニングになるそうな。

(P160)

 

ふおお。

 

しかし、これはなかなか勇気のいるやりかただ。

 

たとえ、自分の好きな作品が名作としての地位を確立していて、

今さら厳しい批判を受けてもびくともしない、というものであっても、

やっぱりねえ……。

 

だが、これをやることで

「批判の力によって自分と作品の距離感や位置関係を問い直す」ことになり、

「自分の感想の筋力もきっと高まっていく」(P164)そうな。

 

む~ん。

あとでやってみようかな。

もちろん作品は「ベルサイユのばら」だ。

 

 

最後に。

私もこういう感想とか批評の書きかたのような本を

何冊か読んできたのだが、この本が一番自分に合っていると思った。

 

なんだろう、どこが他の本と違うのだろう。

 

本書ではおもに最近の邦画を題材に語っていますが、

私は映画はほとんど見ないので、ここで取り上げられた作品は

すべて見ていません。

 

でも、よく知らないからつまらない、なんてことはなくて、

説明もわかりやすくて読みやすかった。

 

知らない人にも興味をもってもらえるように

分かりやすく面白く説明すること。

難しいのよ、これは。

プロでもうまくいってない人は少なくない。

 

それこそ、他の本と比較して研究すればいいのか。

もちろん、これは他の本をさげるとかそんなつまらない話ではないのですが。