人類滅亡小説人類滅亡小説
1,944円
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「人類滅亡小説」
山田宗樹  幻冬舎  1,800円

突如、不気味な赤い雲(コロニー雲)が空に現れた。

その雲が地面に落下すると。

その周辺では、急激な酸欠状態となり。
生物が死滅する。


そんな惨状が地球上で次々と、発生し。

人類滅亡へのカウントダウンが、終に始まった・・・。


人類は死に絶えるのか。
滅びゆく運命の中で、人はどう生きていくのか。


さすが、百年法を書いた山田宗樹さん。
(百年法は、すぐにでも映像化されると思ったのですが。未だ実現ならず。ちょっと残念です。)

とても壮大で、面白いお話しでした。


命は自分ひとりのものではない。
これまで繋いできてくれた多くの命に、託されたものである。
そして、未来へと繋いでいかねばならないもの。


確実に。
じわじわと、確実に。
迫り来る滅亡へのカウントダウンを、様々な視点から描いていくのですが。


この「誰」視点でなのかが、重要で。
さらに、それが誰なのか。
物語の展開上どの立ち位置の人物なのか。
というのが読み進めると分かっていき、
その繋がりに、ハッとさせられます。


その展開、お見事です。


人の倫理観を問うような。
百年法にも通じるような、面白さがありました。


そして。
解決策が見出され、滅亡は免れるという。
安易な展開ではなく。


最後までまで気が抜けない。



ラストシーンには「猿の惑星」を思い出してしまう。
そんな衝撃がありました。


とても。
面白いお話しでした。


ちょっと人間関係が複雑で。
難しいと感じるかもしれませんが、中学生女子が好きなタイプのお話しだと思います。