一人山に分け入って

草いきれの中を進むと

うす暗くしっとりと冷たい広場に出た



その奥を眺めると

一人山百合の花が咲いていた



あたりには

ひときわ強く甘い薫りがただよい

その華麗な姿は

誰人も寄せ付けない

威厳に満ちていた



見てはいけない

立ち入ってはいけない様な気がして

私は言葉を失い立ち止り

もと来た方へ引き返した



今まで

誰にも言わなかった(正確には言えなかった)

私だけの秘密の場所・・・