KDMさん | ケリ蔵のブログ

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趣味に生きるおっさんのブログです。
昔の事や今の事、書いておかなきゃ忘れちゃうよ~。

二十歳の頃、私は小さな建設会社でバイトをしてました。

もう、30年以上も前の話です。
今、その会社はどうなっているのかわかりません。


そこで出会ったインパクトのある作業員の方々を、

記憶が色褪せて消えてしまう前に書き留めておこうと思います。

当時、全くと言っていい程世間知らずの私に、

かなりの衝撃を与えた方々です。





KDMさん

昔、シャッターの取付工事を自営でやっていた(多分)職人。

主に溶接やアセチレン溶断をやっていた。当時60才位。

アルコール中毒。

彼は必ず、水筒を肌身離さず持っていた。

でもその中身はお茶でも水でも無い。

酒だ。

いつも酒の匂いがしていた。

にも関わらず仕事に来る為、現場監督に怒られてばかりいた。

その度に「俺は飲んでいない」と言い張った。

アルコールの入っていない彼は、

道具を持つ手が震えている。

すると彼は、自分の水筒を持ち、一口飲むという。

そうすると、見事にピタッと震えが止まるそうだ。



なぜアル中になってしまう程、

酒に溺れてしまったのだろう?

聞く所によると、
最愛の奥さんをガンで亡くしたようだ。

それ以外の事はわからない。

子供は?兄弟は?

多くを語ろうとしなかった様だし、
僕もその会社の人々も、
彼にそこまでの興味は無かった。

皆にバカにされていた。

そこまで堕ちる前に、どうして何とかしなかったのだろう?
それはわからない。

また、そういう彼をなぜ会社は使っていたのだろう?

それも今となってはわからない。


現場監督も、酔っ払っている彼に

なぜ作業をさせたのだろう?

不憫に思ったのだろうか?


とにかく30年以上も前の話で、

今ではとても考えられない様な事。


こういう人も居るんだなあ・・
と、当時思ったものでした。






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