JR貨物が今年度に新製するのは、高速・重けん引用のEF210形電気機関車(ECO-POWER 桃太郎)11両、駅構内入換作業用のHD300形ハイブリット機関車1両、本線用及び貨物駅での入換用のDD200形ディーゼル機関車6両です。
JR貨物EF210 300番台「桃太郎」電気機関車
新造300番第は100番台をベースにしており、勾配後押機関車として運用するためシリコーン油を内蔵した新型の緩衝器を両エンドの連結器に採用している。これは、貨物列車を編成後部から押上げる際、状況によっては編成内の連結器に衝撃力が加わる場合があり、それを緩和するためのものである。従来の緩衝器に超高粘度のシリコーン油を充填したシリンダを組込み、引張側では従来のゴムブロックによる変形抵抗により衝撃を吸収するが、圧縮側(押上げ時)ではそれによる変形抵抗にシリコーン油の流動抵抗が加わり、より高い衝撃吸収能力をもっている。その装備のために緩衝器が大型化し、車体長が片側で200mm、全体として400mm長くなっている。車体色は標準型と異なり、青地に2本の黄色のラインを入れたものとなる。
EF210 303号機は勾配後押機関車として連結、テールランプが”赤”に点灯。
勾配後押機関車としての仕業以外にも、本務機としての運用を考慮し汎用性を持たせた設計とされているため、「瀬野八」区間以外での運用も可能となっている。2020年3月改正からは、東海道本線吹田以東への定期運用が設定され、関東地区への入線も見られるようになりました。
2017年に落成した310号機以降は、309号機以前や他の番台とは異なり、側面のJRFロゴが省略された。その後、2020年2月に落成した316号機は側面に桃太郎のキャラクターステッカー装飾が施され、以降の新製機にも反映されるようになった。
JR貨物DD200形式の万能機関車
非電化区間の貨物列車牽引と、貨物駅構内の入換作業の双方に使用しているDE10形・DE11形などの液体式ディーゼル機関車の老朽化に伴い、両形式の置き換えを目的に投入される。DF200形とEF210形の技術を応用しており、各種搭載機材を極力共通化することにより、開発および維持コスト削減を狙っている。
◆DD200形式/駆動方式:電気式 動軸数:4軸 運転整備重量:58.8t 車体長:15.9m 最高運転速度:110km/h 動輪周出力600kW 主機関:水冷4サイクルV型12気筒1個 主電動機:4個
DE10形式とDD200形式の大きな違いは、DD200形式の駆動方式が電気式であること。車体長はやや長くなったものの、軽量化されたことで最高運転速度が旅客路線での運転でも支障のないように110km/hと向上している。
動輪は 4軸としたが、軸重は13tから14.7tに重くなっている。これは、DE10形式が開発されたときに脆弱な路盤が多いローカル線での走行を考慮したため。現在はそこまで軸重に配慮する必要がなくなった。複雑な構造となりがちな5軸を避け、粘着力と牽引力を高めるべく4軸とされている。
JR貨物HD300形ハイブリッド機関車
HD300形ハイブリッド機関車は、JR貨物が2010年より製造を開始した
ハイブリッド機関車です。試作機にあたる901号が、2012年鉄道友の会ローレル賞を受賞した。
この機関車は、ディーゼル発電機を動力源とする電気式ディーゼル機関車と蓄電池(リチウムイオンバッテリー)を動力源とする蓄電池機関車の2つの要素を兼ね備えた、日本初のハイブリッド機関車である。具体的にはディーゼル発電機からの電力と蓄電池からの電力を協調させてモーターを制御する「シリーズ・ハイブリッド」方式と呼ばれるシステムであり、本機に搭載されたディーゼルエンジンは直接駆動力には使用されず、発電機を回転させる発電用として使用されるだけである。また、CO2排出量は、動力協調システムによるエンジンの効率的な運転と回生ブレーキ作動時において、モーターから発生した電力を蓄電池に充電することにより、大幅な削減することを目指している。ハイブリッド (Hybrid) 方式の機関車であることを表す「H」を初採用し、動軸数4であることを表す「D」と組み合わせた「HD」となっている。
「環境に優しいクリーンな機関車」をコンセプトに、DE10形と比較して以下の目標を立てて設計・・開発がなされた。 有害排出ガスを30 - 40%以上削減・・車外騒音レベルを10db(A特性)以上低減・・エンジンの効率的運転と回生ブレーキの活用によって、CO2の大幅な削減。
2010年3月に試作車(901号機)が落成し、各種走行試験が実施された。その結果を踏まえて2012年1月以降、量産車が順次導入されています。
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