帰り道に見える
緑色に光る観覧車が見えなくなって
もう一ヶ月ぐらい経つ
裸の並木道は
今日は霧が立ち込めてて
お化け森みたいだった
公園の池に映るヘッドライトとか
阪大のビルの赤い光とか
公園越しに見えるうちのマンションも
霧のせいで遥か遠い国みたいに見えた
前に染織の先生が
私の絵を見ながら
「冬の木は一人一人人格があって、まるで喋りかけてくるようですよね。」
みたいな事を言ってくれたけど
私は半分冗談だと思って
ちょっと笑ってみた
でも先生は真剣だった
笑ったことを後悔した
まさかこんな大人のおじさんが
こんなお伽話みたいなこと言うなんて思ってなかったから
よく考えてみたら
なんて素敵な先生なんだろうって気付いた
大人になっても
こんな素敵なことを考えていられる人でいたいと思う。
今日の霧のかかった並木道はまさにそんな感じ