貸切バスの勤務時間は国土交通省の勤務時間等基準告示[4]に定められており1日の拘束時間は原則13時間以内、運転時間は2日を平均して1日当たり9時間以内でかつ連続運転時間は4時間以内と定められている(神姫バス)。
貸切バスの高速道路走行を伴う運行では先の「1日あたり9時間」に相当する乗務距離の上限は670kmと定められている。670kmを超えて運行する場合は別の運転者を用意、つまり「二人乗務」としなければならない。これは国土交通省の指針[5]であり、バス会社別の労使協定によりこの指針よりも短く設定されている場合もある。逆に、小規模なバス会社では人手不足から一人で一日に670km以上の距離を運転するケースもある(阪急交通社)。
従来は免許制で、多くは路線バス事業も展開している日本国有鉄道→JRバスか私鉄か大手専業系バス会社が貸切バス事業も行っていたが、2000年に道路運送法が改正され、バス事業自体が免許制から許可制に変わり、貸切バスを中心に異業種や新規事業者の参入が相次いだ。同時に既存のバス会社も、主として経営効率化の見地から、貸切バス事業を含むバス事業の分社化や吸収合併などの業界再編がさかんに行われている(スカイツアーズ 東京)。
結果として競争が激化し、事業者の経営が不安定となり、乗務員は少ない人員による長時間勤務を強いられ、過労や賃金の低下など労働条件の悪化が指摘されている。2007年2月18日には、スキー場からの帰りの「あずみ野観光バス」(長野県北安曇郡松川村)の貸切バス(旅行会社が募集した会員制スキーバス)が大阪モノレールの橋脚に衝突、27人が死傷する事故が発生した(JA 保険)。事故の原因としては、長時間勤務による過労からの居眠り運転が指摘されており、同社については、2006年6月に労働基準監督署から、長時間労働を改善するよう是正勧告がされていたという。事故後、同社は「ダイヤモンドバス」に社名を変更し営業継続している。2007年2月21日の毎日新聞によると、労働基準法などに違反するとして、2005年に行政指導を受けたバス会社が全国で85社に上ると報じられた。これは法改正された2000年の20社に比べて、4倍以上に増加したことになり、労働条件の悪化を伺わせる現象である(JA共済 農協)。
